最近では防犯性を前面に出した住宅メーカーも増え、マンションも含め新築では防犯性を備えているものが多くなってきました。そこで今回は、主に既存住宅(一部賃貸住宅)を対象とした防犯対策を考えていきたいと思います。
平成17年度 都内の侵入窃盗発生状況。侵入窃盗の71%は住宅で起こり、一戸建てのほか中高層住宅(4階建て以上)でも多く発生しています(警視庁調べ)。 |
防犯対策 3つの視点
【写真1】ディンプルキー。ドリルでの破壊にも強く、複製が困難。防犯性が高いとされている。 |
■入りにくい
■近づきにくい
防犯対策ではこの3つの視点から対策を取ることが基本です。
はじめのステップは狙われにくい家にすること。侵入窃盗犯はお金持ちの家ばかりでなく、入りやすく逃げやすい家を狙います。
次のステップとして、万が一狙われてしまった時。その時は侵入窃盗犯が家に入れないように入り口を強化することが大切です。時間の目安として、侵入するのに5分以上で70%、10分以上で85%の侵入窃盗犯があきらめると言われています。【写真1】のような防犯性の高いディンプルキーに替えることも効果を発揮します。以上の二つのステップは、防犯に強い建物や環境をつくる、ハード面の対策といって良いでしょう。
そして最後のステップは近づきにくい雰囲気を作ること。ご近所同士で挨拶をし、コミュニケーションを深めておくこと、防犯パトロールを行うなど、侵入窃盗犯に「この街はやりにくい」と感じさせること。地域住民や警察自治体などの防犯活動=ソフト面の対策となりますが、こちらも欠かせない対策となります。
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【写真2】在宅のフリして泥棒を撃退してくれる照明。松下電工「お留守番ツインPa」 |
■その1:庭木の手入れで敷地内の見通しを確保
■その2:いたずら書きを放置しない
■その3:新聞をためない
■その4:新聞受けは外から開けられない構造にする
■その5:敷地内に脚立などを放置しない
■その6:留守がちな家はON・OFF機能のある照明器具にする【写真2】
■その7:窓はツーロックに。または面格子を設置
■その8:玄関の鍵はこじ開けに強いものに交換
■その9:玄関ドアのサムターン回し対策を
■その10:最後に……なんでも相談できるかかりつけのホームドクターを見つけておく
ホームドクターとは家の防犯対策をはじめ、気になる部分の修理などを気軽に相談できる、ハウスメンテ全般を請け負ってくれる会社のことです。上記1~10のうち、前半は普段の生活の中の心がけで対応できる部分、後半の防犯設備の設置は専門会社に頼むと良いでしょう。
防犯設備士の資格を持ち、防犯設備のエキスパートである株式会社エム・ジーコムの望月禄浩(もちづきよしひろ)さんにココが最近狙われる!要注意ポイントおよび建物別オススメ防犯設備と気になるその費用についてお聞きしました。