建物を建てるのに適した地盤とは?
建物を建てるのに適した地盤とは、一言でいうと許容地耐力が高い地盤をいいます。許容地耐力とは地盤の性能を表す指標で、地盤の硬さを示します。基準法施行令の第38条では、許容地耐力に応じて次のような基礎構造とするように定めています(例外あり)。・地耐力30kN(キロニュートン)/m2以上…布基礎も可能
・地耐力20~30kN(キロニュートン)/m2…基礎杭またはベタ基礎
・地耐力20kN(キロニュートン)/m2未満…基礎杭
30kN(キロニュートン)/m2は3トン/m2程度です。杭などを使用せず布基礎で建てるには1平方メートルあたり3トンの地耐力が求められるということになります。
盛り土、軟弱地盤に要注意
その他の目安として盛り土なのか切り土なのか、住宅地だったのか畑だったのかなども注意すべきことです。造成したての盛り土は十分に締まっておらず軟弱地盤の可能性があります。畑だった場所は盛り土されていることが考えられます。盛り土は一般的に軟弱なので、その土地がもともと何だったのか注目すると良いでしょう。もし軟弱地盤であることが判明したら
地盤調査によって軟弱な地盤であると分かったら、地盤を補強する方法を考えます。補強方法にはいろいろありますが、戸建住宅で多く採用されている3つの方法をご紹介します。表層改良工法。軟弱地盤の層が薄い場合(1.0m~2.0m程度)にとられる工法。 |
現場の土を掘削してセメント系固化材と攪拌して戻し、地盤の支持力を高める方法。
住宅用コンクリート杭工法はPCまたはRC杭で支持力を出す工法です。 |
小径のPCまたはPC杭を利用し建物の支持力を高める方法。
小口径鋼管杭工法。小さな径の鋼管杭を打ち込んで地盤の支持力を高める方法。 |
小さな径の鋼管杭を使用して支持力を高める方法。
どの方法をとるかは建物ごとに検討しなければなりません。費用は数百万円程度かかる場合もあります。
安心のためにも地盤調査をしよう!
ボーリング調査では土質もわかる。手前のグレーの土がシルト混じりの細砂で良い地層。奥の黒い土が黒ボクという弱い地層。 |
事前に調査しておけば、その費用も見込んで予算を組み、工程スケジュールを作ることができます。
地震大国日本では、きちんとした地盤調査は欠かせません。費用はかかりますが命や財産を守るために必要なことです。
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