マンション物件選びのポイント/マンションの防犯・セキュリティ

外廊下マンションの注意点はここだ

外廊下マンションの場合、防犯上どういった点に注意すればよいのか、あるいはどのような対策をとったら安全なのかを解説します。

井上 恵子

執筆者:井上 恵子

住まいの性能・安全ガイド

外廊下マンションの例
低・中層マンションで最も一般的なアクセス方式である外廊下型。
マンションのアクセス方法にはさまざまな形があります。多くの低・中層マンションでは、外部に開放された共用の廊下を経由して各住戸に入る「外廊下型マンション」という形式をとっています。

実はこの形式は、防犯上のリスクが高いといわれているのです!

そこで今回は、外廊下型マンションの場合に防犯上どういった注意をすればよいのか、あるいはどのような対策をとったら安全なのかを解説します。

リスクが大きい外廊下型マンション

まずは外廊下型マンションの定義から。マンションで建物の片側にオープンな共用の廊下があり、そこに面して住戸の入り口や窓があり、その廊下を複数の居住者が共同で使う形式になっているアクセス形式を外廊下型といいます。(【図1】参照)。

外廊下型模式図
【図1】外廊下型模式図。建物の北側に外廊下、南側にバルコニーを設けるものが多い。


外廊下型のマンションでは、小規模のものを除き、廊下に2つ以上の階段がついています。これは火災時などの避難の観点から建築基準法でつけることが決められています。何らかの理由で片方の階段が使えなくても、もう片方から逃げられるようなルートを確保しておこうというものです。

防犯性と安全性はトレードオフ(*)の関係があるといってよく、避難安全上は有効でも、防犯上でいえばリスクが大きくなってしまうことがあります。なぜなら、階段が多ければ多いほど不審者が侵入・逃走するルートが多くなるからです。
*トレードオフ…あることの利便性を高めようとすると、他の利便性が低くなるといった関係。

【関連記事】マンションのアクセス方式にみる防犯性

どのような点に注意したらよいか

外廊下マンションを購入するときに気をつけたいのは「外廊下の見通し」です。外廊下の見通しが悪く、死角が多いと不審者にとって侵入しやすいマンションとなってしまいます。

【図2】で見通しの良くない外廊下の形を見てみましょう。

外廊下に死角がある例
【図2】見通しの悪い外廊下の例。死角があると不審者に狙われやすくなる。防犯カメラの設置などを検討すると良い。


図の中で印のついた部分は犯人が隠れることができますね。配置計画上、どうしても死角ができてしまう場合には、その部分に監視カメラをつけるなどの工夫が必要です。外廊下だけでなく、階段やエレベーターホールも見通しが良い配置になっていることも重要なポイントです。

それでは次ページでどのような対策を取ったらよいか見ていきましょう。
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