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【海外の住まい】バリの伝統的住宅スタイル(2ページ目)

南の国インドネシアのバリ島。都市部では近代的な分譲住宅が増えてきましたが、今回は昔から受け継がれているバリの伝統的な住宅スタイルをリポートします。

井上 恵子

執筆者:井上 恵子

住まいの性能・安全ガイド

敷地の入口には悪霊除けの工夫

敷地への出入り口にある門
敷地への出入り口にある門。
敷地の入口にはこのような小さな門があります(前頁【図1】のa)。門の正面には祠(ほこら)が見えます。門が小さいのは悪霊が入りにくくするため、そして門の正面の祠は悪霊が入ってくるのを見張る意味があります。

今回の家には祠(ほこら)がありましたが、標準的な家は門の正面には「アリン・アリン」という衝立のような壁があり、まっすぐ進めない配置になっています。曲がった道が苦手な悪霊よけの意味があるそうです。

家族用のお寺はひとつの敷地に必ず一つ

family temple。各々の敷地に小さいお寺を持つ。
family temple。各々の敷地にひとつづつ小さいお寺を持つ。
こちらが敷地の東側に設けられた家族用のお寺(family temple)です(前頁【図1】のc)。

バリはヒンドゥー教が信仰され、人々と神は一緒に暮らしているといわれるほど身近なものです。ひとつの敷地に必ず一つの小さなお寺が設けられ、そこが家の中で一番聖なる場所となっています。入口には石で造られた割れ門があり、中に祠(ほこら)があります。ヒンドゥー寺院のミニチュア版のようなつくりです。

テラス付きの部屋

次に子ども部屋の間取りを見てみましょう。
子ども部屋の間取り
子ども部屋の間取り。1辺の長さが5~6メートル(テラスを含む)。いたってシンプル。ほとんどを外のテラスで過ごす。


子ども部屋の間取り図です(前頁の【図1】のh )。間取りはいたってシンプル。四角い部屋には必要なベットや机があり、窓がついているだけ。日中のほとんどは外のテラスで過ごします。部屋の壁はレンガで造られ、屋根は瓦または茅葺です。強烈なスコールが降るため床は高くなっていて、階段がついています。

食糧の保存は高床式

キッチンにある作業場
台所前にある作業場。上部に高床式の倉庫がある。
不浄とされる台所も独立しています(前頁【図1】のg)。写真は台所の前にある作業場です。ここで毎日のお供えを作ったり、お料理の下作業をしたりします。

屋根を兼ねて作業場の上部に倉庫が設けられていました。お米などをここに蓄えます。

それでは次のページでバリの生活スタイルについて触れてみましょう。
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