天井まであるハイサッシを設けたモデルルーム。 |
階高(かいだか)とは、マンションのある階における、コンクリートの床板の上端から直上階のコンクリートの床板の上端までの距離をいいます(図1Aの部分)。この寸法がどれだけ取れているかということが、リフォームのしやすさに大きく影響を与えます。
「階高」をはじめとして建物の高さを示す様々な言葉の意味と、それぞれのチェックポイントも併せてご紹介いたします。
階高(かいだか)はどの部分のことをさすの?
マンションの高さ方向を表す言葉に「階高(かいだか)」「躯体天井高(くたいてんじょうだか)」「天井高(てんじょうだか)」などがあります。わかりやすく図にまとめてみましょう。【図1】は建物を縦方向に切って横から見た断面図です。■階高…(A)の部分:ある階の床コンクリート板の上端から直上階のコンクリート床の上端までの距離。
■躯体天井高…(B)の部分:ある階の床コンクリート板の上端から直上階のコンクリート床の下端までの距離。
■天井高…(C)の部分:室内に入って実際に目に見える空間の高さ。
各寸法のチェックポイント
(C)の天井高は、建築基準法でリビング、ダイニング、個室などの居室の場合は2.1メートル以上と決まっています。しかし実際には一般居室では2.4メートル、リビングでは2.5メートル以上取っている物件が多いです。この天井高さも、自分が気持ち良い高さだと感じるかどうか、モデルルームで体感していただきたい部分です。しかし天井高さだけでなく(A)の階高および(B)の躯体天井高にも注目するようにしてください。直床・直天井には要注意
なぜなら、天井高を高く見せるために「直天井(じかてんじょう)・直床(じかゆか)」のマンションもあるからです。床下や天井裏の配線・配管スペースを取らず、床スラブと天井スラブに直接仕上げをしてしまう仕上げ方法です。「直天井・直床」の場合、床もしくは天井のコンクリート板に直接設備配管類を打ち込んでしまうため、遮音性能の点でも劣り、将来的なリフォームにも制約が出るため、そのような造りになっているマンションは要注意です。賢いマンション選びのためには見た目の天井高さ(C)だけではなく、「階高(A)」や「躯体天井高(B)」「二重天井・二重床」も合わせてチェックすることがポイントになってきます。
次のページで階高の基準や階高とリフォームの関係を見てみましょう。