マンション物件選びのポイント/マンションの性能・耐久性

マンションの将来性は「階高」で決まる

買う前に必ずチェック!今回は、居住性はもちろん将来のリフォームや間取り変更のカギを握るマンションの階高(かいだか)に着目。天井高ばかり気にしていた人は要注意です(初出:2007年9月12日)

井上 恵子

執筆者:井上 恵子

住まいの性能・安全ガイド

ハイサッシのマンション内部
天井まであるハイサッシを設けたモデルルーム。
今回は、建物の高さを示す言葉のひとつ「階高(かいだか)」に着目します。

階高(かいだか)とは、マンションのある階における、コンクリートの床板の上端から直上階のコンクリートの床板の上端までの距離をいいます(図1Aの部分)。この寸法がどれだけ取れているかということが、リフォームのしやすさに大きく影響を与えます。

「階高」をはじめとして建物の高さを示す様々な言葉の意味と、それぞれのチェックポイントも併せてご紹介いたします。

 

階高(かいだか)はどの部分のことをさすの?

マンションの高さ方向を表す言葉に「階高(かいだか)」「躯体天井高(くたいてんじょうだか)」「天井高(てんじょうだか)」などがあります。わかりやすく図にまとめてみましょう。【図1】は建物を縦方向に切って横から見た断面図です。
【図1】マンションの高さ方向を示す言葉と場所。クリックで拡大。

【図1】マンションの高さ方向を示す言葉と場所。クリックで拡大。



■階高…(A)の部分:ある階の床コンクリート板の上端から直上階のコンクリート床の上端までの距離。
■躯体天井高…(B)の部分:ある階の床コンクリート板の上端から直上階のコンクリート床の下端までの距離。
■天井高…(C)の部分:室内に入って実際に目に見える空間の高さ。

各寸法のチェックポイント

(C)の天井高は、建築基準法でリビング、ダイニング、個室などの居室の場合は2.1メートル以上と決まっています。しかし実際には一般居室では2.4メートル、リビングでは2.5メートル以上取っている物件が多いです。この天井高さも、自分が気持ち良い高さだと感じるかどうか、モデルルームで体感していただきたい部分です。しかし天井高さだけでなく(A)の階高および(B)の躯体天井高にも注目するようにしてください。

直床・直天井には要注意

なぜなら、天井高を高く見せるために「直天井(じかてんじょう)・直床(じかゆか)」のマンションもあるからです。床下や天井裏の配線・配管スペースを取らず、床スラブと天井スラブに直接仕上げをしてしまう仕上げ方法です。

「直天井・直床」の場合、床もしくは天井のコンクリート板に直接設備配管類を打ち込んでしまうため、遮音性能の点でも劣り、将来的なリフォームにも制約が出るため、そのような造りになっているマンションは要注意です。賢いマンション選びのためには見た目の天井高さ(C)だけではなく、「階高(A)」や「躯体天井高(B)」「二重天井・二重床」も合わせてチェックすることがポイントになってきます。

次のページで階高の基準や階高とリフォームの関係を見てみましょう。

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