マンション物件選びのポイント/マンションの性能・耐久性

マンションの将来性は「階高」で決まる(2ページ目)

買う前に必ずチェック!今回は、居住性はもちろん将来のリフォームや間取り変更のカギを握るマンションの階高(かいだか)に着目。天井高ばかり気にしていた人は要注意です(初出:2007年9月12日)

井上 恵子

執筆者:井上 恵子

住まいの性能・安全ガイド


階高の基準は?

階高は、いろいろな要素が絡んで決定されています。一般的な鉄筋コンクリート造マンションでは住戸の四周に大きな梁が出てきます。この梁の大きさも階高設定に影響を与えます。この梁の下部には外廊下側には玄関扉、バルコニー側では掃き出し窓などが付きますが、それらの扉や窓の高さは最低でも2メートルは欲しいところです。大梁の大きさ、建具の寸法、二重床か否か、そのような要件が絡んで階高が決められます。

建具(窓)の高さはあればあるほどグレード感も上がり、または明るく、気持ちよく、部屋が広く見えるなど居住性も高くなります。

ところが窓や玄関扉の高さを最低寸法に設定すれば階高は2.85メートルくらいから可能になります。直床・直天井方式をとれば、階高が2.85メートルでも、見た目の天井高さ(C)は確保できてしまいます。しかし、先ほども述べたとおり、住まい心地、リフォーム対応という点では階高は3メートル以上とってあることがが望ましいと言えるでしょう。

階高が3メートル以上確保できている物件は、二重床・二重天井となっているものが多く、居住性や将来の間取り変更対応もグンと良くなってくると言えるでしょう。

階高をチェックして買うべし

マンションを建てる土地には「高さ制限」や「日影規制」など、さまざまな建物の高さを規制する決まりがあります。例えば15メートルの高さ制限のある区域にマンションを建てるとき、4階建てで計画すれば各階の階高を3メートル以上に設定できますが、5階建てで計画すると各階の階高は3メートルを切ってきます。

販売会社によって、建具や床下・天井裏など縦方向の寸法を最低に抑えて階数を1層増やすのか、居住性を重視してゆったりとした階高を確保するのか、方針もマチマチです。買う側がじっくり検討して選ぶべきと言えるでしょう。

リフォームのしやすさは「広さ」と「階高」で決まる

天井高さが高い部屋の例
天井高さが2.5メートルある部屋の例。天井が高いと部屋も広く感じる。
マンションでリフォームや間取りの変更をするときに大きく関係してくるのが住戸空間の「広さ」と「高さ」です。住戸空間とは、コンクリートの床・壁・天井に囲まれた部分のことです。

「広さ」はいわゆる住戸面積のこと。マンション広告を見ても必ず明記されているのでわかりやすいですね。では、「高さ」はどうでしょう。どこに書かれているかいまいちわかりにくいし、書いてあったとしてもあまり関係ないかなぁ……とチェックしない方もたくさんいるのではないでしょうか。

 

モデルルーム、パンフレットで高さ方向の寸法を確認

前のページでも述べましたが、高さ関係で目に見えてわかりやすいのは「天井高(C)」で、寸法が明記してあったり、モデルルームで体感することができます。しかし、リフォームのしやすさでは「階高(A)」を必ずチェックです。階高が高くとってあることはすなわち「床下や天井裏に空間が確保できる」ということですから、電気配線や給排水管を通す空間があるということになり、大きく間取り変更をするときにも対応が可能となります。

これからは天井高のチェックにとどまらず、モデルルームに備えてある図面やパンフレットからぜひ「階高」もチェックすることを忘れないでくださいね。

次のページでなぜ階高をチェックすべきなのか、躯体天井高さが一目でわかる方法をチェック!

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