終の棲家としてマンションを選ぶ人が増えました
必ずしも最初からマンション暮らしだったわけでなく、それまで住んでいた戸建てを売却して住み替えるケースも多いようです。そこで今回は「終の棲家」としてのマンション暮らしの利点を検証し、合わせて豊かで安全な老後を過ごすために必要な住まいの条件とはなにかについて考えてみましょう。
マンションを終の棲家に選ぶ人が増加
【図1】は、平成26年4月23日に公表された国土交通省のマンション総合調査(平成25年版)を元に作成した「永住意識」に関するグラフです。
これによると、マンションに住む人の「永住意識」は年々増えており、平成11年に「永住するつもりである」が「いずれは住み替えるつもり」を抜かして逆転してからは、その差は広がる一方です。
マンションの世帯主の高齢化が進む
また、マンションの世帯主の高齢化が進んでいます。60歳代と70歳代を合わせた高齢世帯の割合は平成11年度で25.7%でしたが、平成25年度には50%に増えており、ちょうど半数が高齢世帯となっています。初めは転売しようと考えていたけれど、何かしらの理由でそのまま住み続けているというケースもあると思います。(【図2】)。60代、70代の方がこれから住み替えをするとは考えにくく、このままそのマンションで暮らしていこうと考えている方は多いのではないかと思います。実際に、できるなら最後まで住み慣れた家で暮らしたいと願う人が増えているのですが、残念ながら住まいがその意に沿うような造りになっておらず、断念せざるを得ないケースもあります。
従って、まだ若くて将来どうなるかハッキリわからない時点でも、高齢になっても安心して住めるような住まいを確保しておくことが大事なのです。そうすれば、高齢になってからの住まいの選択肢が広がります。
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