マンション物件選びのポイント/マンションの防犯・セキュリティ

風を通して他人を通さず。間取りと防犯対策(3ページ目)

自然の通風を得るには、マンションでは窓の位置が重要です。間取り図を見て風の通り道があるかチェックしましょう。風が通るマンションの間取り例と、合わせて外部からの侵入対策を確認します。あなたの家は大丈夫?

井上 恵子

執筆者:井上 恵子

住まいの性能・安全ガイド

防犯上注意すべき窓はどれ?

階段室型の間取り(前ページ)では、玄関を除く窓が3カ所あります。それぞれの窓について侵入される危険性はどのくらいあるか考えてみましょう。

[A] リビングダイニングの窓と洋室(1)の窓
CPマークとCPマークがある建築部品。
CPマークと建築部品。シャッター、サッシ、面格子、玄関ドアなどで一定以上の防犯性を持つと認定されたものにはCPマークが付いています。
この2つの窓はバルコニーに面しており、バルコニーが足がかりとなる上に掃き出し窓(床から梁下または天井まである縦長のサッシ)がつくため、侵入の恐れが高い窓と考えられます。特に1~3階の低層階と、最上階は危険です。十分な防犯対策が取ってあることが望ましい窓となります。

具体的にはCPマークのついた防犯性の高い窓もしくはシャッターがついていること、カギがクレセントと補助錠のダブルロック以上となっていること、または防犯センサー付きなど、防犯対策が取ってあることが望ましいと言えます。

[B] 洋室(2)の窓
この窓はバルコニーには面していませんが、洋室(1)のサービスバルコニーからの距離に要注意です。サービスバルコニーはドロボウの足場になります。足場から90センチ以内に窓があれば、侵入される危険度は[A]の窓と同じとなります。90センチとは、ドロボウが足場から手をのばして届く可能性のある距離を示します。

侵入経路としては、周りに足場がなくても近くの足場から「手の届く範囲」までは十分な注意が必要です。反対に90センチ以上離れた位置に窓があれば手は届きにくいと考えられるので、この窓の危険度は低くなります。

また、一見バルコニーなどの足がかりがなくて安全そうであっても、窓の上部に30センチ以上出っ張った庇がついていると、それは「足がかり」になるため危険度は大になります。その際は[A]の窓と同じような防犯対策が望ましいことになります。反対に露よけ程度のちょっとした出であれば足がかりになると考えなくても良いでしょう。

このように、通風への配慮とともに防犯性も持ち合わせているかチェックしてください。マンションに初めから何か対策が取ってあることが一番望ましいのですが、後付けできる補助錠や防犯センサーを利用することもできます。

【関連記事】建物や設備で「防犯対策」を強化しよう

それでは次に3方向に窓がある住戸の間取りと通風、防犯を見てみましょう。
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