マンション物件選びのポイント/マンションの防犯・セキュリティ

風を通して他人を通さず。間取りと防犯対策

自然の通風を得るには、マンションでは窓の位置が重要です。間取り図を見て風の通り道があるかチェックしましょう。風が通るマンションの間取り例と、合わせて外部からの侵入対策を確認します。あなたの家は大丈夫?

井上 恵子

執筆者:井上 恵子

住まいの性能・安全ガイド

自然の通風は取り入れたいが、防犯対策もしっかり取りたい。
自然の通風は取り入れたいが、防犯対策もしっかり取りたい。
今年の夏は猛暑でしたが、ようやく朝晩に涼しさを感じるようになってきました。

自然の風は体に心地よく、冷えすぎず、これからの季節もなるべく家の中に取りこんでいきたいものです。できるだけエアコンに頼らず過ごせるような「風の通り抜ける」間取りを選ぶようにしたいですね。風が良く通ると結露・カビ対策にもなります。

マンションの場合はメゾネットタイプを除くほとんどの間取りがワンフロアに納まっているため、戸建住宅のように、1階から取り入れた風を2階から抜くといった高低差を利用した風の通り抜けは期待できませんが、なるべく対面に窓がある間取りを選べば風が通り抜けやすくなります。今回は風の通り道のあるマンションの間取り例をご紹介するとともに、防犯対策を確認してみましょう。

外廊下/田の字プランでも工夫があれば風は通りやすくなる

マンションで最も多く見られるのが外廊下型マンションです。その中でも両側を他住戸に挟まれた中住戸では、窓は南北の2面のみ、外廊下側に玄関がありその左右に個室を配した「田の字プラン」(【図1】参照)がポピュラーな間取りになっています。

【図1】外廊下型マンションの中住戸に多くみられる田の字プランの例。
【図1】外廊下型マンションの中住戸に多くみられる田の字プランの例。


南北の2方向に開口部が設けられていれば風は通るのですが、田の字プランではその間にたくさんの間仕切壁があるため、それが風が通り抜ける障害となっています。さらに北側の窓は他人が通る外廊下に面しており、プライバシーや防犯の面からも窓は開けにくく、閉め切りがちになります。このように外廊下型の中住戸では、なかなか家の中を風が通り抜けるのが難しいのが現状です。

無駄にクーラーを使わない!涼風間取りでは、「外廊下型/田の字プラン」でもちょっとした工夫で通風を得やすくした例をご紹介しました。外廊下側に小さな吹き抜けを取り入れるというプランです。間取りそのものは全く同じでも、外廊下側にこのようなちょっとした配慮があるだけで、プライバシーや防犯性が高まり、窓も開けやすくなるという例です。外廊下型マンションでも、ぜひこのような工夫をしている間取りを探してみてください。

今回は、このような「外廊下型/田の字プラン」以外の間取りに着目してみます。通風を得やすい間取り例をご紹介します。

次のページでは階段室型マンションの間取り例を見てみましょう。
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