設備配管類がどのように配置されているか、それがマンションの寿命を大きく左右します
「耐久性のあるマンション」は、子どもや孫の代まで引き継ぐことができる財産となり、売却した時も有利と言われています。すなわち高耐久であることは、将来性、資産性が高いマンションに欠かせない条件です。
そこで今回は、建物の耐久性に大きく影響を与える「マンションの設備回りの性能チェックポイント」をご紹介しましょう。
マンションの「共用配管」と「専用配管」
多くの人が集まって生活しているマンションには、給排水給管、給湯管及びガス管など、共用で使用している設備配管(=共用配管)があり、一般的には上階から下階まで、縦一列のいくつかの住戸を貫く形で設置されています。この共用配管の点検や交換のしやすさがマンション自体の寿命と大きく関係しています。マンションの共用設備配管は、各住戸ごとに細かく分岐して、床下や天井裏を伝わって台所、浴室、トイレなどの水回りまで引かれています。分岐した先の各家庭の専用部分にある配管は「専用配管」と言われ、この部分は住戸の持ち主が自分の意志で位置の変更や交換ができる部分となっています。
マンションの寿命に影響をあたえる共用配管
マンションの共用配管はその名の通り、共用部に該当するため住人が勝手にリフォームすることはできません。また上下に貫く管を一斉に刷新しなければ改善が見込めないことも多いため、個々に対応しても、あまり意味もありません。一般的にきちんと施工された鉄筋コンクリート造のマンションであれば、構造躯体は、適切な維持管理のもとでは半永久的な耐久性があるものですが、現実には現在取り壊されているマンションの平均年数は35~40年程度となっています。
その理由のひとつがコンクリート躯体より短い設備配管の寿命です。設備配管類の寿命は一般的には25~30年程度といわれ、鉄筋コンクリートの構造躯体より短くなっています。問題となるのは共用配管で、老朽しても交換がうまくできず、構造躯体はまだ長持ちするのに「設備配管の老朽化に合わせ取り壊し」となってしまうケースも多いようです。
それでは次のページで配管の交換ができない理由と設備回りの性能チェックリストを挙げてみましょう。