マンション物件選びのポイント/マンションの性能・耐久性

家庭内事故から家族を守る!自宅の安全対策

実は、安全と思われている住まいの中でけがをする幼児やお年寄りは多く、居間、台所、階段、浴室などで事故が発生しています。住まいの中の危険箇所と事故の原因を知り、それを回避するための対策を取っておきましょう(初出/2008年11月、改訂/2014年6月)。

井上 恵子

執筆者:井上 恵子

住まいの性能・安全ガイド

交通事故より多い!? 乳幼児と高齢者の家庭内事故

家庭内事故は低年齢層では男性、高年齢層では女性が多い(出典:本文※調査)

家庭内事故は低年齢層では男性、高年齢層では女性が多い(出典:本文※調査)

安全と思われている自宅内ですが、思いのほか家庭内事故は起きています。1997年の厚生省の統計によると、乳幼児や高齢者の家庭における不慮の事故死は交通事故死を上回っています。従って、家の中で過ごす時間の多い幼児やお年寄りが安全に過ごせるような配慮が必要です。

国民生活センターがまとめた「家庭内事故に関する調査報告書」(1999年)※によると、家庭内で起こる事故の発生場所は居間が36%と最も多く、次いで台所が23%、階段13%の順に多くなっています。そのうち3割が、階段、浴槽、床などの住宅設備が原因で発生しています。これら住宅設備が原因による事故は家庭内事故の3割を占めています。それでは注意すべき箇所を順に見ていきましょう。

1位:階段

階段での事故が最も多い。

階段での事故が最も多い。

住宅関連事故の中では「階段」が原因の1位となっています。0歳、30~49歳以外のすべての年齢で第1位にランクインし、ほとんどの年齢で飛びぬけて多いことがわかりました。

事故に至る大きな原因は転落・転倒で、この2つがほとんどを占めます。階段の上り、下りのどちらで多く起きるかというと、下りの方が上りの約4倍ほど多く発生しているとのことです。

■階段の転落・転倒事故の主なパターン
・タイツ、スリッパをはいていて滑った
・ズボンのすそでつまづいた
・両手で洗濯物や布団を運んでいた
・階段の手すりが折れた
・勾配が急だった
・階段のすべり止めにつまづいた
・歩行器、玩具に乗っていてそのまま落下した(幼児)
・照明が暗かった

事故の解決策:手すりと足もとをチェック+強化

子どもが大好きな大型玩具。これごと階段から落下する事故も多い

子どもが大好きな大型玩具。これごと階段から落下する事故も多い

階段からの転落は一つ間違えると骨折などの大けがや死亡事故につながることもあります。これらを防止するためには、階段には手すりをつけること、その手すりは体重をかけてもぐらつかないように強固にとりつけてあること、階段部分には十分な明るさが確保されていること(または足元灯がついていること)、階段の踏み面はすべりにくい仕上げになっていることが大切です。

住宅内の階段に限らずマンションの共用階段でもこのような転落・転倒防止策が望まれます。

「幼児が乗り物玩具ごと階段から落下した」という例もありましたが、その防止のために、階段の降り口には侵入防止ゲートを設けておくと良いでしょう。侵入防止ゲートは子ども用品店などで後付けできるタイプのものが販売されています。

【関連記事】子どもや高齢者に安全な階段の作り方

それでは次のページで2番目に多い浴室の事故と解決策を追ってみましょう。
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