マンション物件選びのポイント/マンションの性能・耐久性

最近よく聞く「住まいの可変性」って何?(3ページ目)

これからの時代、住まいには住み手のライフスタイルに合わせて変化できる「可変性」が重視されるようになります。リフォームしやすい家 VS できない家。愛着を持って長く住むにはどちらが有利でしょうか?

井上 恵子

執筆者:井上 恵子

住まいの性能・安全ガイド

可変性のあるマンションの条件

マンションの可変性、すなわちリフォームしやすいマンションの仕様を一覧表にまとめました(【表1】参照)。

【表1】ライフスタイルの変化に対応できる仕様
【表1】ライフスタイルの変化に対応できる仕様


いずれの条件も、購入後には変えられない部分に該当します。購入する前にきちんとチェックすることが大事です。以下補足説明です。

■階高(かいだか)
「階高」とは、構造躯体の床スラブから上階の床スラブまでの距離を指します。
「階高」とは、構造躯体の床スラブから上階の床スラブまでの距離を指します。

見た目の天井高さとは違い、床スラブから上階の床スラブまでの距離をいう。「二重床・二重天井」仕様で、かつある程度の天井高さを確保するためには3m以上確保されていることが大切。

【関連記事】マンションの将来性は「階高」で決まる

■二重床・二重天井(にじゅうゆか・にじゅうてんじょう)
二重天井概念図。配管は天井スラブに打ち込まれず、天井裏を這っているので好きな位置に変更しやすい。
二重天井概念図。配管は天井スラブに打ち込まれず、天井裏を這っているので好きな位置に変更しやすい。

天井スラブに直接仕上げがしてある直天井(じかてんじょう)の場合、電気配線などが天井スラブなどに打ちこまれてしまうことが多く、将来間取り変更をしたくても照明器具がうまくつかないケースが出てくる。

天井スラブの中に配線・配管を打ち込むことは躯体がその分欠損するので遮音性にも影響を与える可能性がある。

直床(じかゆか)も同じで、給排水のために室内に床段差があったり、部分的に床スラブを下げて対応している造りだと間取り変更が難しくなる。したがって、間取りの変更をたやすくする為には直床・直天井ではなく「二重床・二重天井」となっていることが大事。

【関連記事】二重床・二重天井は本当に必要なの?

■設備配管の点検・交換のしやすさ
設備配管は専用のスペース内にあり、コンクリートに打ち込まれていないことが大切です。
設備配管は専用のスペース内にあり、コンクリートに打ち込まれていないことが大切です。

一般にコンクリートでできたマンションでは、適切な維持管理で半永久的な耐久性が期待できるが、現在取り壊されているマンションの平均年数をみると35~40年程度。

その理由として、給排水などの配管がコンクリートに埋め込まれていて、設備配管の劣化とともに建物も一緒に壊してしまうケースが見られる。設備配管の寿命は25~30年程度と短いので、コンクリート躯体を壊すことなく点検・交換できる造りになっていることが大事。

【関連記事】
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■室内に梁・柱型が極力ないこと
部屋の間仕切りを付ける位置は、梁や柱型の影響を受ける。間取り変更の自由度を増すためには、室内になるべく柱や梁が出ていないことが大事。

ライフスタイルや家族構成によって使いやすい間取りは変わります。家族の成長とともに柔軟に変化できる住まいこそ、愛着をもって長く住める可能性があるのです。マンションを選ぶ際にはぜひこの「可変性」についてのチェックをお忘れなく!

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