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大開口に注意!?住まい・トレードオフの関係(3ページ目)

住まいの性能で「トレードオフの関係がある」という言い方があります。「あちらの性能を重視するとこちらの性能がやや落ちる」という意味です。全てを求めるのではなく「見極める」という作業が必要なのです。

井上 恵子

執筆者:井上 恵子

住まいの性能・安全ガイド

トレードオフの関係がある性能

それではトレードオフの関係がある住まいの性能の組み合わせを取り上げてみましょう。

■窓の大きさと耐震性
窓が大きく壁が少ないと耐震性が下がります。
一般に窓が大きく壁が少ないと耐震性が下がります。

「光いっぱいの明るい家に住みたい」と大きな開口部(窓)を設ける家を見かけます。しかし耐震性の面からみると、家を支える壁は四方バランスよく配置されている方が望ましく、特にある一方の壁が極端に少ないとそこが弱点になり、地震耐力上は弱くなります。反対に耐震性を重視するなら思い切った大きな開口は難しいかもしれません。

■窓の大きさと省エネ性
家の中で温められた空気や冷やされた空気は、壁よりも窓を通して外に逃げていきます。また、夏場の暑い空気や冬の寒い空気は、窓を通して室内に流れ込みます。

このように、窓は外と内の熱を伝えやすい場ですので、窓が大きければ大きいほど家の中のエネルギーはたくさん奪われ、外気の影響を受けやすくなり、その分光熱費がかさむようになります。最近は高性能の窓ガラスも出ていますが、そういった窓ガラスを採用するとその分コストがかかります。

■窓の大きさと騒音
同じく窓を大きく取ると、そこから騒音が入りやすくまた外にも音が漏れやすくなります。同じようにプライバシーの点からいっても窓の大きさとプライバシーはトレードオフの関係があると言えます。

以上のように、住まいの性能には相反する「トレードオフの関係」が成り立つことから、家族が本当に必要としている性能は何なのか、それとトレードオフの関係にある性能は我慢するのかなどをよく話し合って、最適の組み合わせを選んでいくことが大切なのです。

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