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大開口に注意!?住まい・トレードオフの関係

住まいの性能で「トレードオフの関係がある」という言い方があります。「あちらの性能を重視するとこちらの性能がやや落ちる」という意味です。全てを求めるのではなく「見極める」という作業が必要なのです。

井上 恵子

執筆者:井上 恵子

住まいの性能・安全ガイド

住まいの性能にはトレードオフの関係があります。
住まいの性能にはトレードオフの関係があります。
地震に強い、火災時に安全に避難できる、劣化しにくい、メンテナンスしやすい、省エネ性がある……これらはいずれも大切な「住まいの性能」ですが、この中には「ある性能を強化するとある性能が弱くなる」という関係があります。それを「トレードオフの関係」と言います。

全ての性能面を強化できればよいかもしれませんが、そういった「トレードオフの関係」があることや、建設コストがかなりアップされることを考えると、住まいを手に入れる前に「自分にとってはここを重視したい」と考えを整理しておくことが大切です。

今回は家を建てるまたは購入する前にぜひ考えておきたい、住まいの性能面の「トレードオフの関係」について見てまいります。

住まいの性能を熟考して購入する人が増加

少し前までは、住まい選びには立地、価格、間取りを重視する人が多かったのですが、手抜き工事や欠陥住宅、耐震偽装などが話題になり、またそういったマイナス面だけではなく、家の長寿化を指す「200年住宅」や省エネに対する意識の高まり、健康志向もあり、住まいの性能面も熟考して購入する人が増えてきました。それでは改めてここで「住まいの性能」にはどのような項目があるかおさらいしてみましょう。

住まいの性能には何がある?

住まいの性能は、住まいにおいて目に見えないけれどとても大切な部分を指します。反対に住まいの立地や価格、間取りは目に見え比較検討をしやすい項目で、これらは性能とはいいません。

住まいの性能には大きく分けて以下の10区分があります。
(1)耐震性があること
(2)火災時に安全に避難できること
(3)劣化しにくい造りであること
(4)維持管理や設備配管の更新がしやすいこと
(5)省エネ性が高いこと
(6)空気環境が良好であること
(7)窓が大きく室内が明るいこと
(8)遮音性が高いこと
(9)バリアフリーへの配慮があること
(10)防犯性が高いこと

(1)~(10)までの区分の中身はさらに細かく項目が分けられており、2000年に始まった「住宅の品質確保の促進等に関する法律」では、住宅の性能は10区分32項目において基準が定められています。

それでは次のページで全ての性能が高いほどよいのか、コストと性能の関係を取り上げてみます。
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