日本の夏は高温で蒸し暑い

東京は北緯35度で、テヘランやアフリカと同じくらいの緯度に位置します。ちなみにパリやロンドンは北緯45度から50度で、東京よりかなり北にあります。東京の夏の平均気温は27度を超え、温帯モンスーン特有の湿気が多く、雨がよく降る気候です。日本の四季は様々な豊かさをもたらしてくれますが、生活だけを考えると意外と暮らしにくい気象条件をかかえているのです。

現代では、暑い・寒いといってエアコンのスイッチをすぐに入れます。しかし一般家庭にエアコンが普及したのはほんの数十年前のことです。それまで日本人は、家づくりの中でいろいろと工夫をしてきたのです。


ヒントは外に向かって開いた家

・夏を旨としたつくり
日本の各地にはさまざまな民家が点在していますが、伝統的な日本の民家に共通して見られるのが高温多湿の蒸し暑い夏を乗りきるための工夫です。
それはいかに風通しをよくするかを最優先した外に向かって開いた家づくりです。

・風向きに合わせて建てる
昔ながらの民家はその地方の夏に吹く風の向きに合わせて建てられています。そうすることで自然に風が流れ涼しく過ごせるからです。東京であれば夏は東京湾から南南東の風、大阪の夏は西風が吹きます。
このように建物の配置は地域ごとに異なり、そこに地域性を考えた家づくりが生まれるのです。

・開口部を工夫する
昔の日本の家づくりは木造軸組工法です。今は在来工法と言っていますが、この工法は極端にいうと柱4本でも家が成り立つのです。つまり東西南北どこでも外に向かって開いた家づくりができます。そして、外部に接するガラス戸、内側の障子、襖など、すべて引戸で戸外からの風を取り入れていました。つまり窓ではなく、間戸(あいだの戸)なのです。

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