DINKS暮らしを左右する6つのモノサシ(2ページ目)

今日的なモノサシはデザイン

無駄な装飾が一切ないシンプルかつシャープな外観の「加賀レジデンス」。

前ページに挙げたモノサシの中に、外観・エントランスのデザインがあるのを意外に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、今や住宅は飽和状態。世帯数より住宅の数のほうが上回っています。質や機能が良い、つまり中身がいくら良くてもそれだけではマンション購入意欲は高まりません。マンションも見た目が大事なのです。素敵！と感じるデザインでなければ、買いたい衝動は起こりません。デザインは今日的なモノサシというわけです。

マンション評価ナビがこれまで評価したDINKS向けマンションの中で、優れたデザインとして高い評価を獲得したのは「加賀レジデンス」(東京都板橋区)でした。

加賀レジデンスのリビングサッシは、高さ約2.5ｍのフルハイトサッシが壁一面に展開していて、バルコニー越しに景観と空の両方が楽しめる。

このマンションは構造上の柱や梁が建物に露出しない「壁式免震工法」を採用することで、建物の縦ラインと横ラインが格子状に揃い、非常にシンプルですっきりしています。階高3.1m、バルコニーの軒高2.7m、リビングのサッシ高2.5m、そしてスパン約7.5mが織り成す外観は、構造体とデザインが一体となり、無駄な装飾が一切ないシンプルかつシャープな美しさを創り出しています。外壁の白と透明感のあるガラスのバルコニー手すり、フルハイトサッシを多用することで、建物の色を意図的に抑えています。そうすることにより、空の青さ、木々の緑など、周囲の景観の中にある美しい色をきわだたせ、結果として自らを美しく見せるという計算がなされているのです。

こうしたマンションを見学するのは、ご自身のモノサシを測る参考にもなるのでお勧めです。

子育て意向の有無でモノサシは異なる

どのDINKSにもモノサシが共通かというと、そういうものではありません。子育て意向のあるDINKSと、一生DINKSではモノサシの優先順位が違います。以下の表をご覧ください。

<モノサシ>	子育て意向DINKS派	一生DINKS派
都心に近くて通勤に便利	1位	1位
丈夫で長持ち、性能・品質が良い	2位	2位
ゆとり・グレード感のある建て方	5位	4位
日照・通風・採光が良い	3位	7位
間取りが良い	4位	6位
外観・エントランスのデザイン	6位	5位
貸しやすさ、売りやすさ	7位	3位

1位「都心に近くて通勤に便利」、2位「丈夫で長持ち、性能・品質が良い」の順位は共通しているものの、それ以外については相当の違いが生じています。子育て意向のあるDINKSは、子育てに良い住まいを選んでおかなければならないため、子どもがすくすく健康で元気に育つよう「日照・通風・採光」、「間取り」の使い勝手を重視する必要があります。

一方、一生DINKSは子育てという制約がない分、自分たちの暮らしにあう街に自由に住み替えることができます。そこで、いざ住み替えというときに「貸しやすい、売りやすい」かが重要なポイントになります。また買い手から見て魅力ある物件かどうかという要素も求められるため、「グレード感」や「デザイン」は外せないモノサシというわけです。

ところで、モノサシには目盛りがあります。主要なモノサシの目盛りについては、この先ひとつずつお伝えしていきます。さしあたって次回は「通勤に便利」というモノサシの目盛りについて、「DINKSマンションは通勤時間で得をする!?」でご紹介していきます。



【関連記事】
モノサシ「通勤に便利」の目盛りについてはこちら。
DINKSマンションは通勤時間で得をする!?