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将来価値でみる中古マンション3 修繕積立金(2ページ目)

将来価値でみる中古マンションシリーズ3は「修繕積立金」です。修繕積立金は、新築分譲時に予め決められているのが一般的。どのくらいの金額が妥当なのでしょうか。

大久保 恭子

執筆者:大久保 恭子

これからの家族と住まいガイド

将来価値を維持するにはアンチエイジング型修繕計画が必要

積立金はあくまでも修繕計画の中身で決まります。この中身の質が良くないと、将来価値は維持できません。最近では新築分譲時に、以下のような30年間の長期修繕計画が提示されます。

約5年~10年毎に行う修繕各種鉄部塗装、鉄骨階段・機械駐車場塗装、排水ポンプ交換、防犯カメラ交換など約10~15年毎に行う修繕外壁補修、シーリング・屋上・ルーフバルコニー防水、バルコニー・共用廊下・階段修繕、機械駐車場塗装、給水ポンプユニット交換など約15~20年毎に行う修繕給水管(給水器まわり)更新、給水管(共用竪管)延命、アンテナ交換、インターホン設備交換約20~30年毎に行う修繕給水管(共用竪管)更新、照明器具・避雷針設備・消防設備・受水槽・宅配ボックス・機械駐車場設備パレット交換(屋外駐車場)など30年以降に行う修繕受水槽交換、機械駐車場設備パレット交換(屋内駐車場)、エレベーター交換、排水管更新、受変電設備・配電設備交換、アルミ建具・手摺金物等交換外構廻り舗装等全面改修
このような内容の修繕計画が実施できるかどうかは、大規模修繕直前のマンションの修繕積立残高で分かります。あくまでも一般的な目安ですが、150万円/1住戸程度の積み立金の残高がないと、一時金を徴収することになったり、予算が足りずに必要な修繕が実施できず、将来価値が低下することも予想されます。

この計画は、国が提示した指針にもとづいた長期修繕計画案の標準タイプで、どのマンションも同じ内容となっています。ひとつとして同じマンションがあるわけではないので、実際にはそれぞれのマンションの特性に応じてカスタマイズすることが大事です。

また、従来の修繕計画は、建物が劣化した後に修繕するという発想でつくられています。将来価値の維持のためには、劣化を事前に防止することに重きをおいたアンチエイジング型修繕計画が求められるところです。

くわえて、建物の劣化の状況は、一様ではありませんので、いったん作成した計画は建物の変化に対応して5年ごとに見直さなければ適切な修繕はできないのです。このように初来価値を維持しようとするマンションの管理組合は、計画作成、資金調達、修繕事業の実施など、組織としての能力が求められるのです。


次のページでは、将来価値を向上させるマンションリフォームをご紹介します。
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