将来価値を維持するにはアンチエイジング型修繕計画が必要
積立金はあくまでも修繕計画の中身で決まります。この中身の質が良くないと、将来価値は維持できません。最近では新築分譲時に、以下のような30年間の長期修繕計画が提示されます。このような内容の修繕計画が実施できるかどうかは、大規模修繕直前のマンションの修繕積立残高で分かります。あくまでも一般的な目安ですが、150万円/1住戸程度の積み立金の残高がないと、一時金を徴収することになったり、予算が足りずに必要な修繕が実施できず、将来価値が低下することも予想されます。
この計画は、国が提示した指針にもとづいた長期修繕計画案の標準タイプで、どのマンションも同じ内容となっています。ひとつとして同じマンションがあるわけではないので、実際にはそれぞれのマンションの特性に応じてカスタマイズすることが大事です。
また、従来の修繕計画は、建物が劣化した後に修繕するという発想でつくられています。将来価値の維持のためには、劣化を事前に防止することに重きをおいたアンチエイジング型修繕計画が求められるところです。
くわえて、建物の劣化の状況は、一様ではありませんので、いったん作成した計画は建物の変化に対応して5年ごとに見直さなければ適切な修繕はできないのです。このように初来価値を維持しようとするマンションの管理組合は、計画作成、資金調達、修繕事業の実施など、組織としての能力が求められるのです。
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