【ガイドの不動産売買基礎講座 No.7】

自ら所有するのか、あるいは所有者から借りるのかといった違いはありますが、不動産の売買には必ず土地の権利が関係してきます。それでは、土地の権利にはどのようなものがあるのか、簡単に整理しておくことにしましょう。


土地の所有権とは?

土地の権利として、まず一般的なのが「所有権」です。これは説明するまでもないかもしれませんが、住宅の敷地としての土地が個人または法人の所有となり、その利用や処分(譲渡など)は原則として自由です。

ただし、その土地上に建築する建物の構造・規模や用途が各種の法律などによって制限されることは、土地の権利の種類に関係なく同じです。

土地の所有者になると、その土地に対する固定資産税都市計画税を支払う義務を生じます。なお、マンションなど区分所有建物の場合には「所有権の共有」という形態になり、個人の自由にはならない部分が増えるでしょう。


土地の借地権とは?

土地の権利にはもう一つ「借地権」というものがあります。これは文字どおり土地の所有者からその土地を借りるものであり、前述の固定資産税・都市計画税を負担する必要がない代わり、所有者(地主)に対して毎月「地代」を支払わなければなりません。

この「借地権」にはいくつかの種類があり、「普通借地権」、新借地借家法に基づく「一般定期借地権」「建物譲渡特約付借地権」「事業用借地権」に分けられます。

さらに「普通借地権」には「地上権」と「賃借権」があり、法的な取り扱いが異なります。「地上権」は物権として登記の対象となるうえ、所有権と同様に自由に売買などができます。

それに対して「賃借権」は、譲渡または転貸にあたり地主の承諾が必要で、その際に地主へ承諾料を支払うことが一般的です。また、建物の建て替えの際にも同様に地主の承諾を受けなければなりません。

全般的にみると、一戸建て住宅敷地における借地権では「賃借権」となっているケースが多く、マンション敷地の借地権では「地上権」が多いでしょう。

ちなみに、借地借家法が改正された1992年8月1日以前から存続している借地権には、廃止された旧借地法が引き続き適用されることになっていますから、そのどちらなのかを明確に区別しなければなりません。

なお、土地を無償で借りた場合には「使用貸借」という扱いになり、借地借家法による借主の保護はありません。親の土地をタダで借りて家を建てたような場合には借地権が成立せず、法的なものは適用されないので注意が必要です。


定期借地権のあらまし

「普通借地権」(地上権または賃借権)が契約期間(30年以上)の満了に際して法定更新できる(通常は更新料の支払いが必要)のに対して、1992年に新法で登場した「定期借地権」では、契約期間の更新がありません。

さらに「一般定期借地権」では、契約期間(50年以上)の満了時にそれまであった建物を取り壊し、更地にして地主へ返還することになります。

また、「建物譲渡特約付借地権」では建物をそのままにして地主に買い取ってもらうこともできますが、契約期間は「一般定期借地権」が「50年以上」なのに対し、「建物譲渡特約付借地権」では「30年以上」の短い期間で設定されます。

一方、居住用でない建物(事業用建物)を所有する目的の借地権では、存続期間を10年以上20年以下の範囲内で定めることのできる「事業用借地権」の規定が適用されます。この場合、契約期間の満了に伴い借地人は建物を取り壊したうえで、土地を地主に返還します。

土地流動化の切り札としてバブル期に導入された「定期借地権」ですが、その後徐々に増えているものの認知度はまだ低いようです。また、契約期間満了時にどのような問題が発生するのか、(事業用を除いて)まだ誰も経験したことがないため若干の不安が残る面もあるでしょう。

しかし、不動産をその利用価値で考える場合、所有権よりも確実に安い借地権は、検討の対象に加えてよいのかもしれません。


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