不動産売買の法律・制度/不動産売買の法制度

防火地域と準防火地域

防火地域と準防火地域の規定は、都市計画区域内において建物の構造を制限するものです。土地や住宅を選ぶときにはぜひ知っておきたい、防火地域と準防火地域の概要について説明します。(2013年改訂版、初出:2002年8月)

執筆者:平野 雅之


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防火地域と準防火地域の基礎知識


【ガイドの不動産売買基礎講座 No.20】

都市計画区域内では、都市防災上の観点から建物の構造に制限が加えられる場合があります。それが用途地域とは別に定められる「防火地域」と「準防火地域」です。

防火地域は主に商業地域において指定されます。この地域内では、地階を含む階数が3以上、または延べ面積が100平方メートルを超える建物は耐火建築物とし、それ以外の小規模な建物でも耐火建築物もしくは準耐火建築物としなければなりません。

つまり、防火地域内での建物は鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄骨造などとし、たとえ小規模であっても(準耐火建築物に該当しない)一般の木造建物は禁止されます。ただし、高さが2メートル以下の門または塀、延面積が50平方メートル以内の平家建付属建物で外壁および軒裏が防火構造のものなど、例外的に木造が認められる場合もあります。また、近年は防火地域内の基準に適合する木造の開発も進められています。

準防火地域内では、建物の規模に応じて耐火建築物としなければならないもの、耐火建築物または準耐火建築物とするべきもの、木造建築物でも良いものなどが規定されています。

準防火地域内で可能な一般の木造建築物は、延べ面積が500平方メートルまでで、かつ3階建て以下となっていますが、この場合も主要構造部や延焼の恐れのある部分などについて、防火の基準などが細かく定められています。

ただし、防火地域と準防火地域は、都市計画区域内のすべての地域に指定されるわけではありません。第1種および第2種低層住居専用地域などでは、そのいずれの指定も受けていないところが多いでしょう。

なお、防火地域または準防火地域に指定されていない地域で、建築基準法第22条の規定により「屋根不燃化区域」に指定されている場合もあります。これに該当するときは、不燃化の基準に適合した屋根にしなければなりません。また、この「屋根不燃化区域」は都市計画区域内に限らず、全国どこでも指定ができることになっています。


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