住宅ローンを借りて住宅を購入、新築、リフォーム工事などをしたとき、一定の要件を満たせば所得税の還付や住民税の減額を受けることができます。
この「住宅ローン控除」(住宅ローン減税、住宅借入金等特別控除)を利用するケースは多く、金額も大きいため、適用の可否をあらかじめよく確認しておくようにしましょう。
ここでは事前に知っておきたい住宅ローン控除の基本的なポイントをまとめることにしますが、詳しい内容については ≪住宅ローン控除を改めて確認しておこう≫ および ≪必読!住宅ローン控除適用のケーススタディ≫ をご参照ください。
住宅ローン控除の主な適用要件
住宅ローン控除の適用期限は過去の税制改正で何度も延長が繰り返されており、現時点では2021年12月31日までの入居(居住開始)が対象となっています。住宅ローン控除の適用期間は10年間で、最大控除額(10年間合計)は認定長期優良住宅または認定低炭素住宅を取得した場合が500万円、その他の新築住宅など(消費税の課税対象物件)を取得した場合が400万円です。
消費税率の引き上げ(8%)に伴い控除枠は拡大されましたが、個人が売主となる中古住宅など(消費税が課税されない物件)を取得した場合の最大控除額は200万円に据え置かれました。
その他、住宅ローン控除を受けるための主な要件は次のとおりです。
□ | 登記上の床面積が50平方メートル以上であること |
□ | マンション(耐火建築物)の場合は築25年以内であること |
□ | 木造一戸建て住宅など(非耐火建築物)の場合は築20年以内であること |
□ | 築25年(または20年)を超える場合は、一定の耐震性が証明されていること、もしくは既存住宅売買瑕疵保険に加入していること、または購入後に耐震改修工事を実施したうえで所定の証明を受けること |
□ | 住宅を取得してから6か月以内、かつ、控除を受ける年の12月31日までに居住すること |
□ | 控除を受ける年の合計所得金額が3,000万円以下であること |
□ | 返済期間が10年以上の住宅ローンを利用すること |
これら以外にも、他の特例との併用や金融機関以外からの借入金、兼用住宅の場合、リフォーム工事の金額などについて、細かな要件が規定されています。
1年目は申告が必須
「住宅ローン控除」による各年の控除額は、取得した物件により50万円、40万円、20万円のいずれか、年末時点における住宅ローン残高の1.0%、その年の所得税額(+一定の住民税額)のうち、いちばん少ない金額になります。住宅ローンの年末残高が大きくても、納めた所得税額(+一定の住民税額)以上に還付されるわけではありません。
住宅ローン控除を適用するためには申告が必要であり、原則として翌年の1月~3月15日に手続きをします。給与所得者の場合は1年目に申告をすれば、翌年以降は会社の年末調整で還付を受けることができます。
申告にあたり住民票の写し、家屋の登記事項証明書、売買契約書の写し、金融機関が発行する借入金の年末残高証明書、源泉徴収票など、一定の書類を用意しなければなりません。
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