【ガイドの不動産売買基礎講座 No.52】

不動産の登記のうち、土地についての表示項目には「地目(ちもく)」というものがあります。地目とはいったい何なのか、その種類や注意点などについて簡単に整理しておきましょう。


地目とは?

地目とは、不動産登記法に定められた土地の区分で、現況の用途、利用目的などによっていずれかに分類されることになっています。不動産登記法(不動産登記規則第99条)によって規定されている地目は全部で23種類であり、これ以外の地目を使うことはできません。

【地目の種類】
田、畑、宅地、学校用地、鉄道用地、塩田、鉱泉地、池沼(ちしょう)、山林、牧場、原野、墓地、境内地(けいだいち)、運河用地、水道用地、用悪水路、ため池、堤、井溝(せいこう、いこう)、保安林、公衆用道路、公園、雑種地

ちなみに、不動産登記法の改正(2005年3月施行)以前は、旧不動産登記法施行令第3条による地目が上記のうち学校用地、鉄道用地を除く21種類に規定され、それとは別に旧不動産登記事務取扱手続準則(1971年)第118条によって学校用地、鉄道用地の表示が定められていました。

売買対象となる土地の地目のなかで最も一般的なものは「宅地」です。一戸建て住宅の敷地だけでなく、マンションの敷地、ビルや商業施設の敷地などもすべて「宅地」となります。

不動産の取引にあたり、「宅地」以外に比較的よくお目にかかるのは「畑」「山林」「雑種地」「公衆用道路」あたりでしょうか。たまに「田」や「用悪水路」なども出てきます。地方へ行くと少し状況は変わるかもしれませんが……。

なお、同じ土地のなかに用途の異なる部分がある場合には、土地全体の状況によってどれか一つの地目に決められます。最終的に地目を認定するのは登記官です。


登記地目と現況地目の相違

登記された地目と、実際に現在利用されている地目(現況地目といいます)が、一致していることが望ましいのはいうまでもありません。しかし、実際には現在「宅地」であっても、登記上では「畑」や「山林」のままになっている土地が数多くあります。

法律の規定上では、利用目的の変更によって地目が変わったとき、土地の権利を持つ者は変更があった日から1か月以内に、変更登記の申請をしなければならず、それを怠れば10万円以下の過料に処せられることになっています。

その変更登記の申請をしないままの土地も多いわけですが、少なくとも市街化区域内で考えるかぎり、とくに支障がないのも実情です。ただし、市街化調整区域内の場合には、現況地目との相違によって少し厄介な事態になるケースもあるでしょう。

ちなみに、地目については法律の規定上、登記官の職権による変更登記も可能です。

不動産情報などにおける「物件概要」では、登記地目と現況地目の欄がそれぞれ設けられていることも多く、これが分けられていない場合は登記と現況が一致しているか、あるいは現況地目が優先されています。

また、土地の価格評価や課税については、あくまでも現況により判断されます。

なお、地目が「畑」や「山林」などの場合には、たとえば地積が165.88平方メートルなら、登記のうえでは小数点以下が切り捨てられて165平方メートルと表示されます。これを単純に地目変更して「宅地」にすると、その地積は165.00平方メートルと表示されてしまいます。


農地を転用するとき

いま現在、実際に畑などとして利用されている土地を売買する際は、農地法による手続きが必要です。詳しくは ≪農地法による制限と土地売買≫ で解説していますが、市街化区域内の農地を売買して宅地に転用しようとするときは、あらかじめ農業委員会へ届け出なければなりません。


地目について注意すべき点は?

地目をみる際に注意しなければならないのは、過去の履歴です。

いま現在の登記された地目をみるだけでなく、過去の地目もチェックして「田」や「池沼」「用悪水路」「ため池」など、水に関係する地目だった場合には注意しなければなりません。過去の地目が「墓地」だった場合も、別の意味で注意が必要でしょう。

また、敷地の前の道路の地目が「公衆用道路」だったとしても、それはあくまでも不動産登記法による分類でしかありません。公衆用道路であっても建築基準法上の道路だとはかぎらず、公道かどうかということとも関係がないので早合点は禁物です。


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