【ガイドの不動産売買基礎講座 No.57】

風致地区とは、都市の風致を維持するために定められる地区で、都市計画区域内の住環境の優れた地域において指定されます。その規定は都市計画法第58条第1項にもとづいていますが、具体的な制限の内容は都道府県の条例で定めることになっています。

ここでは風致地区のあらましを説明しますが、詳しい内容については ≪風致地区による住環境の保護とは?≫ をご覧ください。


知事の許可を要する行為

次に掲げる行為をしようとする場合には、あらかじめ知事の許可を受けなければなりません。

□ 宅地の造成、土地の開墾その他の土地の形質の変更
□ 木竹の伐採
□ 土石類の採取
□ 水面の埋立てまたは干拓
□ 建築物その他の工作物の新築、改築、増築または移転
□ 建築物その他の工作物の色彩の変更

このうち個人に関わるものは、建築物の新築・増改築、土地の形質の変更などでしょう。

床面積の合計が10平方メートル以内の新築・増改築、または面積が10平方メートル以下の土地の形質の変更で一定範囲内のもの(建築物では新築・増改築後の高さが8m以下であることなど)は許可が不要です。


建築物の主な制限

風致地区に指定された区域内で建築物の新築や増改築をする場合には、建築基準法などによる制限だけでなく、都道府県の条例によってさまざまな制限が付加されます。

建ぺい率(通常の建ぺい率よりも厳しいものになります)
□ 建築物の高さ
□ 敷地境界線から建築物外壁(またはこれに代わる柱の面)までの距離
□ 建築物の形態および意匠、色彩など

たとえば東京都の場合、形態および意匠は周辺区域の風致と著しく不調和でないこと、色彩は周辺区域の風致に調和することが求められています。

少しややこしい表現ですが、形態・意匠は若干の不調和だったらOK、色彩の不調和は一切ダメということでしょうか。いずれにしても判断が難しいため、風致地区で建築を計画するときには関係者などの意見を聞くことも必要です。

厳しい制限の例では建ぺい率が20%、道路境界から建物の外壁までの間隔が3メートル以上、隣地境界から建物の外壁までの間隔が2メートル以上などというケースもあります。建ぺい率20%というと、100坪の土地でも建坪が20坪までしかできません。

住環境は優れているものの、まとまった土地でなければ希望するような建物は無理でしょう。

なお、各都道府県の風致地区条例に関しては2001年の政令改正に伴い、2003年から2004年5月までにそれぞれ若干の改正が実施されています。


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