【ガイドの不動産売買基礎講座 No.74】

住宅など不動産を購入する前の重要事項説明で、その物件のエリアが「地区計画等」の対象になることが説明される場合もあります。しかし、一般の人はあまり聞いたことのない言葉ではないでしょうか。

建物の用途や形態、大きさなどを制限する規定には、用途地域建ぺい率容積率などがあります。しかし、これらは基本的に全国共通の画一的な制限であり、決して地域の実情を反映したものではありません。

そのため、より小さな範囲の地区レベルにおいて地域の特性に応じた詳細な都市計画が必要となるときに定められるものが「地区計画」「防災街区整備地区計画」「歴史的風致維持向上地区計画」「沿道地区計画」「集落地区計画」で、これらの総称が「地区計画等」です。

【地区計画等の種類】
□ 地区計画
□ 防災街区整備地区計画
□ 歴史的風致維持向上地区計画
□ 沿道地区計画
□ 集落地区計画

ちなみに、平成14年の改正により「住宅地高度利用地区計画」「再開発地区計画」が廃止されて他の「地区計画等」に統合されたほか、平成20年に「歴史的風致維持向上地区計画」の制度が創設されました。

「地区計画等」では「適正な都市機能と健全な都市環境を確保すること」や「区域の特性にふさわしい良好な居住環境の確保と適正な土地利用を図ること」などを目的に、それぞれ政令にもとづいて市町村で具体的な制限内容が定められます。

また、「地区計画等」にはその計画の目標や整備・開発・保全などの方針のほか、それぞれ「地区整備計画」「特定建築物地区整備計画」「防災街区整備地区整備計画」「沿道地区整備計画」「集落地区整備計画」などが定められます。

これらの中で建築物の用途や形態・意匠の制限、容積率の最高限度・最低限度、建ぺい率制限、敷地面積の最低限度、建物高さの最高限度・最低限度、壁面の位置、外壁後退などのうち必要なものの制限が強化されたり緩和されたりするため、内容は計画エリアによってかなり異なる場合もあるでしょう。

さらに、地区計画の整備計画におけるタイプとして「再開発等促進区」「開発整備促進区」「誘導容積型」「容積適正配分型」「高度利用型」「用途別容積型」「街並み誘導型」なども規定されています。

【地区計画のタイプ】
□ 再開発等促進区
□ 開発整備促進区
□ 誘導容積型
□ 容積適正配分型
□ 高度利用型
□ 用途別容積型
□ 街並み誘導型

購入しようとする不動産がこれらに該当する場合には、どのような制限があるのか、または何が緩和されるのか「その地区で定められた内容」をしっかりと確認することが欠かせません。

【関連法令】
□ 防災街区整備地区計画
「密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律」
□ 歴史的風致維持向上地区計画
「地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律」(歴史まちづくり法)
□ 沿道地区計画
「幹線道路の沿道の整備に関する法律」
□ 集落地区計画
「集落地域整備法」


関連記事

不動産売買お役立ち記事 INDEX
ガイドの不動産売買基礎講座 INDEX

風致地区による住環境の保護とは?
景観地区とは??
建築協定がある敷地を購入する際のポイント

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。