【ガイドの不動産売買基礎講座 No.67】

マイホームなど不動産を売却して利益が生じたときには、一定の税率によって計算した譲渡所得税と住民税を納めなければなりません。その税率がどれくらいなのか、主なポイントを整理しておきましょう。

なお、細かな適用要件や注意点などについては ≪マイホームを売却したときの所得税と住民税≫ をご参照ください。


短期譲渡と長期譲渡で税率は異なる

不動産に関する税率は、売却(譲渡)したときの所有期間によって異なります。

売却した年の1月1日時点において所有期間が5年以下の場合が「短期譲渡」、5年を超える場合が「長期譲渡」です。また、所有期間が10年を超える場合は軽減税率の特例もあります。


短期譲渡所得(所有期間5年以下)の税率

所有期間が5年以下の土地や建物を売却して利益が生じれば、その利益分(課税譲渡所得)に対して39%(所得税30%+住民税9%)の税金がかかります。

ただし、平成25年から平成49年までは「復興特別所得税」として所得税額に2.1%が加算されるため、実質的な税率は39.63%(所得税30.63%+住民税9%)となります。

課税短期譲渡所得金額×39.63%

なお、「3,000万円の特別控除」が適用できるマイホームの場合には、これを控除した後の所得金額が課税対象となるため、それ以上の利益がなければ実質的に課税されません。


長期譲渡所得(所有期間5年超)の税率

所有期間が5年を超える土地や建物を売却して利益が生じた場合の税率は20%(所得税15%+住民税5%)です。ただし、所得税部分に対しては「復興特別所得税」が加算され、実質的な税率は20.315%(所得税15.315%+住民税5%)です。

課税長期所得金額×20.315%

長期譲渡所得の場合も、売却したのがマイホームであれば「3,000万円の特別控除」などを適用した後の所得金額が課税対象です。

なお、取得時期が古くてその金額が分からないようなときには、取得費を売却額の5%(概算取得費)とすることができますが、逆にいえば95%が諸経費控除前の利益として扱われるため、取得当時の書類が見つからないようなときは気をつけなければなりません。


所有期間が10年を超える場合の軽減税率の特例

売却した土地や建物が、自分が住んでいたマイホーム(居住用財産)であり、土地・建物ともに所有期間が10年を超えるなど一定の要件を満たす場合は軽減税率が適用され、所得税部分に対する「復興特別所得税」を加算した後の実質税率は次のようになります。

課税長期譲渡所得金額
□ 6,000万円以下の部分 14.21%(所得税10.21%・住民税4%)
□ 6,000万円超の部分  20.315%(所得税15.315%・住民税5%)

この場合、「3,000万円の特別控除」は重ねて適用することができますが、買換えの特例などは受けることができません。

また、以前住んでいた土地や建物を売却する場合には、住まなくなってから3年が経過する年の12月31日までに売却することが必要です。


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