住宅購入の費用・税金/確定申告・住宅ローン減税

住宅ローン控除を改めて確認しておこう! 2018年版(2ページ目)

住宅ローン控除の制度はほとんどの人にとって関心の高いものですが、その規定は意外と複雑になっています。住宅ローン控除の適用要件などを、改めてしっかりと確認しておきましょう。(2018年改訂版、初出:2005年10月)

執筆者:平野 雅之


新築住宅を取得した場合における住宅ローン控除の適用要件

新築マンションや建売住宅を購入したり、すでに所有している土地へ新築したりした場合に、住宅ローン控除を適用するための要件は以下のとおりです(建築後未使用の住宅を含む)。

住宅取得後6か月以内に入居するとともに、控除を受ける年の12月31日まで引き続き居住していること
  ※ 震災特例法により、大震災によって家を失ったり居住できなくなったりした場合には「引き続き居住」の要件を満たしていなくても、残りの適用期間について住宅ローン控除を受けられます。
   
家屋の床面積(登記上の面積)が50平方メートル以上であること
  ※ 店舗や事務所などとの併用住宅の場合でも、全体の床面積が50平方メートル以上であれば適用できます。
  ※ マンションの場合には専有部分だけの床面積、一戸建て住宅の場合には各階床面積の合計で判定します。
   
家屋の床面積の2分の1以上が、専ら自己の居住用であること
   
控除を受ける年の合計所得金額が3,000万円以下であること
  ※ 給与所得のみの場合、収入金額が3,336万円以下となります。
   
入居した年およびその前年または前々年の3年間において、居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例居住用財産の3,000万円特別控除、買換えまたは交換の特例の適用を受けていないこと
  ※ 「居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」と「住宅ローン控除」は同時に適用できますが、繰越控除によって所得税額がゼロになれば、住宅ローン控除で還付される税額もゼロとなります。
   
入居した年の翌年または翌々年に、従前の住宅を売却して居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例や居住用財産の3,000万円特別控除、買換えまたは交換の特例の適用を受けないこと
  ※ 住宅ローン控除の適用を受けた人が、入居した年の翌々年までの売却に対してこれらの特例を適用しようとすれば、修正申告等をしたうえで、住宅ローン控除がなかった場合に相当する所得税を納付しなければなりません。また、それ以降の期間についても住宅ローン控除の適用を受けられません。

なお、従来は「取得の時点で居住者(国内に居住する者)であること」という要件もありましたが、2016年度の税制改正でこれが緩和され、2016年4月1日以降は海外赴任者が帰国前に住宅を購入するような場合でも、住宅ローン控除を適用できることになりました。


中古住宅を取得した場合における住宅ローン控除の適用要件

中古住宅を購入した場合には、新築住宅を取得した場合における上記の要件をすべて満たすとともに、以下の要件も満たさなければなりません。

取得の日の時点において、耐火建築物(マンションなど)は築後25年以内、非耐火建築物(木造一戸建て住宅など)は築後20年以内であること
   
築後25年を超える耐火建築物または築後20年を超える非耐火建築物であり、2005年4月1日以降に取得したものについては、地震に対する安全性の基準に適合することが証明されていること、もしくは、2013年4月1日以降に取得したもので「既存住宅売買瑕疵保険」に加入していること
  耐震基準適合証明書(取得の日の前2年以内に調査が行われ、建築士、指定確認検査機関登録住宅性能評価機関が証明したもの)、または住宅性能評価書の写し(取得の日の前2年以内に評価されたもので、耐震等級の評価が1~3のもの)が必要です。
  ※ 「既存住宅売買瑕疵保険」によって適用を受ける場合には、住宅瑕疵担保責任保険法人が発行する証明書(加入後2年以内のものにかぎる)が必要です。
   
上記に該当しない場合、一定の申請に基づいて購入後に耐震改修工事を実施し、入居前に所定の証明を受けた既存住宅であること(2014年4月1日以降の契約分にかぎる)
   
建築後使用されたことがある家屋であること
   
配偶者や特定の親族(取得時およびその後において生計を一にしている親族)や特別な関係のある者などから取得したものではないこと


増改築工事等をした場合における住宅ローン控除の適用要件

すでに居住をしている住宅の増改築工事等をした場合の適用要件は以下のとおりです。

自己が所有し、かつ居住している家屋の増改築等であること
  ※ 従来は「すでに住んでいる住宅の増改築工事」が対象となっていましたが、2009年度の税制改正により、中古住宅などを取得してその住宅へ入居する前に増改築工事などをした場合でも、住宅ローン控除の適用を受けられることになりました。2009年1月1日以降に居住を開始した場合が対象となります。
   
増改築等をした後の家屋の床面積(登記上の面積)が50平方メートル以上であること
   
増改築等をした後6か月以内に入居するとともに、控除を受ける年の12月31日まで引き続き居住していること
   
増改築等の工事費用が100万円を超えるとともに、その2分の1以上が居住用部分に充てられること
   
次に掲げる工事のいずれかで、一定の証明がなされたものであること
  ○ 増築、改築、建築基準法に規定する大規模の修繕・模様替え
  ○ マンション専有部分の床、階段、間仕切壁または壁の過半について行なう一定の修繕または模様替え
  ○ 居室、キッチン、バス、トイレ、洗面所、納戸、玄関、廊下の一室において、床または壁の全部について行なう修繕または模様替え
  ○ 家屋の構造強度等または地震に対する安全性に係る一定の基準に適合させるための修繕または模様替え
  ○ 一定のバリアフリー改修工事(2007年4月1日から2021年12月31日までの間に居住の用に供する場合にかぎる)
  ※ 「一定のバリアフリー改修工事」に該当する工事の内容などについては ≪2007年度住宅税制改正総まとめ≫ をご参照ください。
  ○ 一定の省エネ改修工事(2008年4月1日から2021年12月31日までの間に居住の用に供する場合にかぎる)
  ※ 「一定の省エネ改修工事」に該当する工事の内容などについては ≪2008年度住宅税制改正総まとめ≫ をご参照ください。
   
その他、新築住宅を取得した場合と同様の要件をすべて満たすこと

住宅ローン控除の対象となる工事費用には、増改築等の工事と併せて行なわれる電気設備、給排水設備、衛生設備、ガス設備等に関する工事の費用も含まれます。

また、増改築工事等の施工に伴い「12月31日には居住していなかった」という場合には、原則としてその年の住宅ローン控除を受けることができなくなるので注意しなければなりません。

なお、2007年度の税制改正により、上記の要件(および次ページの住宅ローン要件)とは異なる「住宅のバリアフリー改修促進税制」が創設されています。詳しくは ≪2007年度住宅税制改正総まとめ≫ をご参照ください。

さらに、2008年度の税制改正により、上記の要件とは異なる「住宅の省エネ改修促進税制」が創設されています。詳しくは ≪2008年度住宅税制改正総まとめ≫ をご参照ください。

また、2016年度の税制改正により、上記の要件とは異なる「三世代同居改修工事に対する特例措置」が創設されています。詳しくは ≪2016年度住宅税制改正総まとめ≫ をご参照ください。

2017年度の税制改正では、「長期優良住宅化リフォーム減税」の制度も創設されました。詳しくは ≪2017年度住宅税制改正総まとめ≫ をご参照ください。


page1 ≪住宅ローン控除の概要
page2 ≪住宅ローン控除の適用要件 その1≫
page3 ≪住宅ローン控除の適用要件 その2
page4 ≪住宅ローン控除の確定申告手続き

  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます