不動産売買の法律・制度/不動産売買の法制度

住宅の「買換え特約」を希望したのに拒否された!

住宅を買換えるときは「売却が先か、購入が先か」など難しい問題がつきものです。「買換え特約」が常に使えるわけではなく、何らかの制約が加わることも考えなくてはなりません。(2015年改訂版、初出:2006年10月)

執筆者:平野 雅之


住宅を買換えるときには何かと難しい問題がつきものです。初めて購入するときとは違う慎重さも欠かせません。



question
住宅の買換えを計画しています。いま住んでいる家を売却する契約はまだですが、希望するエリアに手頃な物件が見つかり、それを購入するための交渉を不動産業者に依頼しました。このような場合でも「買換え特約」を付ければ大丈夫だと聞いていたので、その旨を売主側に伝えてもらったのですが、売主はそれを拒否して「特約がないなら契約しても良い」と回答してきたようです。「買換え特約」は、買主が希望すれば必ず付けるべきものではないのでしょうか?
(大阪府 匿名 男性 40代)



answer
住宅を買換えるときには、いままで住んでいたマンションや一戸建て住宅の売却代金を、新しく購入する住宅の代金の一部に充当することが多いでしょう。

ところが、売却よりも先に購入の契約をしようとする場合には、売却が思うように進まなければ非常に困った事態に陥ります。

マンションの外観

買換えようとするときに従来の住宅をうまく売却できないこともある

購入した住宅の代金を支払えなければ、手付放棄で契約解除をしたり、最悪のケースでは違約金を支払ったりせざるを得なくなりかねません。

そのような事態を避けるため、新たに購入するほうの売買契約に加えられるものが「買換え特約」で、従来の住宅が一定期日までに一定金額以上で売却できなかった場合には、購入の契約を白紙解除するというものです。

ちなみに「買換え特約」は、売買契約書の中に特約として書き加えられる場合と、売買契約書とは別に「覚書」などで交わされる場合があるものの、これを適用するときにはできるかぎり売買契約書の中に加えるべきでしょう。

ところが、「買換え特約」が付いた売買契約では、その契約がいつ白紙解除になるか分からず、売主はしばらくの間、非常に不安定な立場に置かれることになります。

「融資利用の特約だって同じだ」という考え方もできますが、「融資利用の特約」が一般化しているのに対して「買換え特約」はまだ十分に浸透しているとはいえず、また、契約が解除される可能性も比較的高いために売主の不安も大きいのです。

「買換え特約を必ず付けてもらうようにしなさい」と解説しているWEBページや書籍なども多いのですが、売主はこれに応じる義務がないため、その取り扱いをめぐって行き違いが生じることも少なくありません。

それでは、住宅の買換えを考えるときにはどうするのがよいのでしょうか?


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