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建売住宅や宅地分譲の区画割りの基本を知る(4ページ目)

都市部の建売住宅や小規模な宅地分譲では、もともとの敷地を細かく分割して販売することが少なくありません。いったいどのような基準で区画割りがされるのか、基本的な方法を知っておきましょう。(2018年改訂版、初出:2008年12月)

執筆者:平野 雅之


大都市は狭小敷地だらけ?

「狭小敷地」の明確な定義はありませんが、一般的には50平方メートル(約15坪)以下の敷地を指すことが多いようです。

しかし、場合によっては約66平方メートル(20坪)以下の敷地を「狭小敷地」としたり、100平方メートル(約30坪)以下の敷地を「狭小敷地」に分類することもあるでしょう。

いずれにしても、大都市圏では戦後の高度成長期から敷地の細分化が進み、「狭小敷地」が数多く生まれてしまっています。50平方メートルどころか、40平方メートルや、極端な例では30平方メートルを下回るような敷地もバブルの頃に作られていました。

売買価格との兼ね合いもあり、敷地は広ければ広いほど良いというわけではありませんが、行き過ぎた敷地の細分化には問題点が多いことも確かです。必然的に隣家との間隔が狭くなり、防災上や防犯上の危険性も高まります。

これからは住宅の長寿命化が必要とされる時代にあって、狭小住宅の密集は解決の難しい要素にもなるでしょう。

一方で、狭小住宅を好むニーズも存在するのですが……。

それはさておき、以前から敷地面積の最低限度を定めている自治体はありましたが、2004年前後の都市計画変更でこの制限を導入する自治体が多くなりました。

敷地の細分化が顕著だった東京都区部や市部でも、自治体によって70平方メートル、80平方メートル、100平方メートル、120平方メートルなどの最低限度を取り入れています。

たとえば、敷地面積の最低限度が100平方メートルに指定されたエリアの場合、もともとの敷地の面積が200平方メートル以上であれば2分割できますが、199平方メートルならこれを新たに分割することはできません。

敷地の細分化は次第に抑制される方向にありますが、将来的には人口、世帯数の減少による需要の低下もあり、「すでにある狭小敷地をどうするのか」といった社会問題が持ち上がることも考えられるでしょう。


page1 ≪2区画に分割する例
page2 ≪3~4区画に分割する例
page3 ≪5区画以上に分割する例
page4 ≪敷地細分化の規制など≫


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