モアイからのメッセージ その2 人と自然と
アフ・コテリクのモアイ。このモアイに入っている目は近年つけられたものだが、かつてはすべてのモアイに目が入っていたらしい ©牧哲雄
鳥人の彫刻や食人の跡を残す人骨が発掘された洞窟アナ・カイ・タンガタ ©牧哲雄
このとき、モアイについていた目もくり抜かれた。モアイは「マナ」を発するため、目を取ることで敵の力を封じようとした。マナに抱かれた人々は、やがてマナを支配しようとした。
クックが去った後、植民地支配は激化して、イースター島も奴隷貿易の犠牲になった。数千の島民が奴隷として運び去られ、一時は絶滅の危機さえあった。その後もチリに支配され、弾圧を受けた。それでも人は生きてきた。
自然のドラマ、人間のドラマ、あらゆるドラマがこの島には、ある。でも、自然もモアイも、おじいさんが昔話を語るように、とてものんびりと語りかけてくれる。そこがやっぱりポリネシア。
モアイ倒し戦争の際に倒されたと見られるアフ・バイフのモアイ群 ©牧哲雄
モアイって何だ?
知らない。
鳥人は?
知らない。
観光の仕事はしないのか?
興味ない。
なぜ生きるんだ?
家族のためだ。
モ・アイ。モは未来、アイは生きるを意味する。
※食人が実際あったのか明らかではない。また、あったとしても飢えのせいなのか、宗教的意図があったのか、理由は不明。また、モアイもいったいなんなのか、どうやって造られ運ばれたのか、いまだ謎に包まれている。