スワヒリの楽園ザンジバルのストーンタウン
世界遺産「ザンジバル島のストーンタウン」のランドマーク、驚嘆の家(The House of Wonder)。1833年に建築されたスルタンの公邸で、宮殿としても使われた ©牧哲雄
世界遺産「ザンジバル島のストーンタウン」を歩く
海から見たストーンタウン。ヨーロッパとオリエントとアフリカが融合した特異な街並みが魅力 ©牧哲雄
コフィアを被ったイスラム教徒。女性は中東ではチャドル、こちらではブイブイと呼ばれる黒い衣装を身につけた人が多い ©牧哲雄
島に上陸すると同時に「ジャンボ(スワヒリ語でこんにちは)」「ウェルカム」という声があちこちからかかってくる。客引きはしきりに自分をアピールして、「いいホテルを紹介する」「ホテルは決まってるか、案内するよ」などと声を掛けてくる。ダルエスサラームの人々と違うのは、多くの男がコフィアと呼ばれるイスラム教の帽子をかぶっており、通りかかる女性の多くがカンガ(東アフリカの女性がよく身につけているカラフルな布)ではなく、ブイブイと呼ばれる黒いイスラム教の民族衣装をまとっていることだ。
ストーンタウンの街並み。基本的に写真のような女性イスラム教徒は撮影禁止だが、最近は撮影を求められることもある ©牧哲雄
港を出るとすぐにストーンタウンだ。ヨーロッパとアラブがあわさったような3~5階建ての建物が所狭しとひしめき合っており、その街並み全体がそのまま世界遺産に登録されている。
東アフリカでは都市のビルを除くと3階建て以上の歴史的建造物などほとんど見ることはないから、ストーンタウンの特異さは際立っている。そのユニークな文化ゆえに世界遺産に登録されたのだが、ランドマークといえる驚嘆の家、アラブ要塞、スルタン宮殿、旧奴隷市場(現カテドラル)など、いずれもそれ自身は驚くような建築物ではない。