老後の資金は、
二人で楽しむためのお金と介護にかかるお金に分けて考える
老後のお金は「楽しみ費用」と「介護費用」に分けて考える
夫婦が揃って健康で長く過ごすことができるのは喜ばしいことですが、反面、老後を楽しむためのお金も十分に準備する必要があります。さらに、平均寿命と健康寿命の差を考えると、その期間は、何らかの介護を必要として自立した生活ができない期間と捉えることもできます。その場合は、介護に必要なお金のことも考えなければなりません。
■夫婦2人で楽しむためのお金
夫婦2人で老後を楽しむために必要なお金は、どんな老後の過ごし方を希望されるか、ご夫婦によって異なるものだと思います。目安としては、「生活保障に関する調査」(生命保険文化センター・平成19年)で「ゆとりある老後の生活費」として、毎月38.3万円という金額が挙げられています。ちなみに同調査で「老後の最低日常生活費」として、23.2万円という金額が挙げられています。
「夫婦で健康に過ごすことができる期間」×「2人の理想の老後の生活費」が、夫婦2人で楽しむために必要なお金ということになります。
■介護にかかるお金
介護にかかる費用は、さまざま考えられますが、夫婦の年齢差と退職時期によって、妻が夫を介護するケースとお互いに介護するケースの2通りが考えられます。
前者の場合は、介護用のリフォーム費用や、妻1人分の介護施設の入居費用などが考えられます。また、後者の場合は、在宅で老老介護をするという選択肢もありますが、夫婦で介護施設に入居するという選択肢も考えられます。介護にかかる費用については、別の機会に詳しく書こうと思います。
■リタイア時期も老後の生活の過ごし方も選択肢は自由
今回は、共働き夫婦のリタイアの時期について考えてみました。「定年」は、働く期間の一つの区切りと考えられますが、リタイア時期は、ご自身で決めることができるものです。老後期間をより長く充実したものにするためには、現役時代にハイペースで老後資金の準備をする必要があります。また、中には、働くことが好きだから、フルタイムではないけれども働けるうちは働きながら生活も楽しむという選択肢もあります。
「定年=老後の始まり」という既成概念に捉われずに、夫婦で自由にリタイアメントプランを設計して頂きたいと思います。その際は、老後の時間軸の中に「夫婦が健康でいられる期間」と「介護の期間」という2つの期間が含まれるということを念頭に置いて頂きたいと思います。
夫婦で健康でいられる老後をできるだけ長く過ごせますように。
【関連リンク】
・老後の資金1億円って本当?どう準備する?
・2人で8千万!?介護付有料老人ホームの生活
・「老後資金に不安」な人が8割!解消法は?
・平均寿命90歳時代の老後の備え方・考え方