あなたの抜け毛は良い抜け毛?悪い抜け毛?
1日100本くらいなら、髪が抜けても良いと言うけれど……気になる!抜け毛
なぜ髪が抜けるの?ヘアサイクル(毛周期)で判断する抜け毛の種類
通常、毛髪は正しいヘアサイクル(毛周期)を繰り返し、生え変わります。ヘアサイクルがうまく機能している場合、毛髪は成長期(5年~7年)、退行期(約2週間)、休止期(約3ヵ月)のいずれかの状態にあり、休止期が終わると自然に抜け落ちます。これは問題ない「良い抜け毛」で、抜けた後は新しい毛髪が生えてきます。ヘアサイクル(1)成長期(5年~7年) (2)退行期(約2週間) (3)休止期(約3ヵ月) (4)脱毛
ヒトの髪の毛は約10万本あり、休止期の状態にある毛髪は約10%と考えられています。3ヵ月で10万本の10%(つまり1万本)が抜けるということは、1日あたり約110本が自然に抜ける、ということになります。これが「1日100本くらいは抜けても大丈夫」といわれる根拠です。
何らかの原因で、ヘアサイクルがうまく機能しなくなると、ヘアサイクルの途中で毛髪が抜けてしまいます。これが心配な「悪い抜け毛」。早めに対処しなければ、薄毛につながります。
あなたの抜け毛が、「良い抜け毛」か「悪い抜け毛」かは、抜けた髪をチェックしてみればわかります。ブラッシングやシャンプーの際に抜けた髪の毛や、枕やタオルについた髪の毛を何本か取ってみて、その形状をよく観察してみましょう。虫メガネを使えば、簡単に見ることができます。
良い抜け毛の種類
良い抜け毛「棍毛(コンモウ)」の形
良い抜け毛とは、正しいヘアサイクルを経て抜けた毛髪のこと。毛根にある毛球が完全に角化し、白い球状になります。毛根がふっくらとしていて棍棒のような形をしていることから、「棍毛(コンモウ)」と呼ばれます。抜け毛のほとんどが棍毛であれば、自然に抜けた毛髪ですから、問題ありません。
悪い抜け毛の種類
悪い抜け毛とは、ヘアサイクルの途中で抜けた毛髪のこと。毛球が完全に角化していないため、毛根にやわらかいものがついていたり、ひょろひょろと細かったりします。抜け毛の形によって、次のような症状が考えられます。■脂漏性脱毛症の抜け毛
脂漏性脱毛症の抜け毛には、白い付着物があります
脂漏性(しろうせい)脱毛症は、頭皮の脂の分泌が活発になることで脂性のフケが増加し、毛穴をふさいだり、細菌が増加して炎症を起こしたりして、髪が抜け落ちてしまう症状です。毛根に白い付着物(脂のかたまりなど)がついていて、毛根にはもやしのような根っこがついていることが多いです。
■フケ症に伴う抜け毛
粃糠性脱毛症による抜け毛
頭皮の状態が不安定になり、乾性のフケが多く発生し、毛穴をふさいだり、炎症を起こしたりして髪が抜け落ちる症状で、粃糠性(ひこうせい)脱毛症といいます。毛根は棍毛のように角化していますが、脂漏性脱毛症と同じく、もやしのような根っこがついているのが特徴です。
■びまん性脱毛症の抜け毛
女性に多い、びまん性脱毛症の抜け毛
びまん性脱毛症は、全体的に薄くなる症状で、女性に多く見られる脱毛症です。毛根がひょろひょろしていることから、萎縮毛(いしゅくもう)と呼びます。角化した毛球はついていません。萎縮毛が多く、「全体的に薄くなってきた」と感じる方は、びまん性脱毛症が疑われます。
■円形脱毛症の抜け毛
円形脱毛症の抜け毛は、さまざまな形状があります
円形脱毛症は、ストレスなどが原因で毛母細胞の活動が休止状態になり、髪が抜ける症状で、成長期性脱毛症といいます。突然活動がストップするため、さまざまな形の抜け毛が発生します。ただ、毛母細胞の活動が休止している状態ですので、原因を取り除けば回復します。
悪い抜け毛を予防するには?
抜け毛の原因は、外部からの刺激によるものと、身体の内側からくるものがあります。■外部からの刺激によるもの
シャンプーのし過ぎやコンディショナー・トリートメントの残留、頭皮の汚れ・詰まり、パーマ・カラーなど薬剤の使用、間違ったヘアケア、髪をひっぱるヘアスタイル、紫外線などの影響などがあげられます。
■身体の内側からくるもの
ホルモンバランスの乱れや低体温、病気や薬剤の投与、ストレス、過度なダイエット、喫煙などがあげられます。
いずれも、原因を付きとめて改善することが、抜け毛予防につながります。少しでもわからないことがあれば、早めに発毛・育毛専門サロンに相談することをおすすめします。
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