マルクト広場とアントワープの英雄、ブラボー像

「お~い石鹸投げるぞ~(@銭湯)」ではなく英雄ブラボーの像

「お~い石鹸投げるぞ~(@銭湯)」ではなく英雄ブラボーの像

これも全部巨人の手のクッキー

これも全部巨人の手のクッキー

観光局にも面しており、町のランドマークである聖母大聖堂からも目と鼻の先にある中心広場。町の繁栄の証人であるギルドハウスや、1561年から64年にかけて建立されたルネサンス様式の市庁舎など、三角形の敷地内は見どころが豊富。

ちなみにこの市庁舎のホールは、童話『フランダースの犬』の中でネロ少年が最後の望みをかけた絵画コンクールの発表があった場所です。結果は残念ながら落選。ネロの悲しい運命の場所となってしまいました。

さてここで注目してほしいのは、噴水の上にそびえる英雄シルヴィウス•ブラボーの像。アントワープの芸術家ジェフ・ランボーによる1887年の作品です。よく見ると何かを投げているようですが、砲丸投げではありませんよ。

 

人間を見下ろす巨人アンティゴーンの像も

人間を見下ろす巨人アンティゴーンの像も

ここでアントワープの町がぐっと身近になる「ブラボー伝説」をご紹介しましょう。

その昔、アントワープにはスへルデ川(今も町の西方を流れています)を支配していたアンティゴーンという巨人がおり、いつも船乗りたちに高額な河川の通行料を押しつけていました。そして払えない者がいると、罰として船乗りの手を切り落としては川に投げ込んでいたのです。そんな悪事を止めさせたのが古代ローマ人の英雄シルヴィウス•ブラボーでした。勇敢にもひとり巨人に立ち向かい、反対に敵の手首を切って川に投げ込み退治をしたのです。ブラボー!

 

アントワープ住民はこの伝説が大のお気に入り。町の名もこの伝説から由来する(「Hantwerpen」=「手を投げる」の意)と主張しているほど。17世紀まで町の名は「Hantwerpen」と綴られていました。とはいえ実際のところ町の名は、巨人伝説ではなく「aanwerp」=「土手」という言葉から来ているという説が現在は最有力です。スへルデ川に堆積した土からできた土手を表していたものだとか。

食べると美味しい巨人の手

食べると美味しい巨人の手

しかし伝説がフィクションであろうとなかろうと、住民たちのブラボーへの一途な愛は変わりません。町中の店先に溢れる巨人の手の形のお菓子が、ブラボー人気を証明しています。「切られた巨人の手の形なんて悪趣味」と思いきや、意外や意外、お菓子になっているとユーモラスで可愛らしいもの。しかも有名菓子屋のブラボーチョコやクッキーは美味しいので言うことなしです。

<DATA>
■Grote Markt,Silvius Brabo
■Stadhuis マルクト広場の市庁舎
住所:Grote Markt 1
TEL:+32 (0)3 220 80 20
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