世界最高所を行く青蔵鉄道
ジョカンの屋上から見たポタラ宮。ラサのいたるところからポタラ宮を眺めることができる。もちろんラサの裏側にも回り込める
ポタラ宮へと続く階段。中は巡礼者よりも観光客が多い
これまで陸路でラサに行くには、敦煌の南、中国青海省のゴルムド(格爾木)を通っていった。ゴルムドからラサに至るルートは「世界最悪路」と呼ばれた道路のひとつで、約1,200kmの道のりを30~50時間かけて政府公認のおんぼろバスで入らなければならなかった。標高2,800mのゴルムドから、わずか十数時間で約2,500mを駆け上がり、最高到達点はなんと5,200m。いつも洪水を起こしている場所や断崖絶壁もあって、転倒したり崖から落ちるバスも多いというから気が気でなった。青蔵鉄道は、ほぼこのルートに併走しているようだ。
こちらはポタラ宮から望むラサ市内
おんぼろバスで見た車窓はまさに絶景で、チベット人がヤクを放牧している様子や、高山植物、ラクダの群れなど、人々の生活や動植物を見ることができるほか、礫砂漠、砂砂漠、草原、林を経て、いろとりどりの塩湖、雪、永久凍土、氷河と、刻々と変化する景色に見惚れることだろう。
ラサへ向かう電車の始発駅は、北京(48時間)、上海(53時間)、広州(58時間)、成都(45時間)、西寧(20時間)、蘭州(24時間)。括弧内は予定所要時間だが、ゴルムドは昼に通過するよう調整される。青蔵鉄道についての詳細はツアー会社等に問い合わせよう。