手紙の書き方・文例/手紙の基本構成

急啓・敬具など!ビジネスで使える手紙の書き方・文例

急啓・敬具など!手紙には、頭語と結語と呼ばれるものがあります。拝啓や急啓に対して敬具などのように、それぞれふさわしい組み合わせを用いましょう。「頭語」「結語」の組み合わせの言葉というのはたくさんありますが、ここではビジネスで使える手紙の書き方・文例をあげてみました。

井上 明美

井上 明美

手紙の書き方 ガイド

ビジネスマナー・敬語講師。国語学者・故金田一春彦(事務所)元秘書。言葉に関するセミナー講師として、教育研修指導の場で活躍。ビジネスでも日常生活でも言葉遣い・敬語はコミュニケーションの基本とも言える大切なもの。手紙や会話での心くばりのある言葉の使い方や注意点について各場面ごとに詳しく解説いたします。 

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急啓と敬具など、手紙の頭語と結語は目的に合わせた組み合わせを

急啓・敬具など!手紙で使える頭語と結語の組み合わせ

頭語と結語は、相手と場面によって使い分けたいもの


頭語と結語とは、「拝啓」に対して「敬具」のように、初めと終わりの言葉の組み合わせのことです。一般的なもの、より丁寧な改まった場合、急ぎの場合、前文を省略する場合など、それぞれ「頭語」「結語」の組み合わせの言葉というのはたくさんありますが、ここでは特によく使われる例のみあげてみました。

           (頭語)       (結語)            
【一般】      :拝啓/拝呈    敬具など
【より丁重な場合】 :謹啓/謹呈/恭啓 謹言/謹白/敬白 など
【急ぎの場合】   :急啓/急呈    敬具/草々 など
【前文省略する場合】:前略/冠省    草々/不一 など
【重ねて出す場合】 :再啓/再呈    敬具/敬白など
【返信の場合】   :拝復/復啓    敬具/敬白など

「前略」は、どのような場合でも使うことができ万能と思われますが、文字通り「前文を省略します」という意ですから、目上の人に使うのは失礼にあたることもあるため避けたほうが無難でしょう。前文を省略するのですから、「前略」のあとに時候の挨拶が続いたりするのは不自然なものです。

「草々」は、急ぎ書き記したことをわびるというような意で、「不一」は、十分に気持ちを書き尽くしていませんがというような意味を表す言葉ですので、「前略」-「草々」「不一」以外にも「急啓」-「草々」「不一」などと記すこともあるでしょう。

ほかにも、文言が整わない、十分でないというような意味の結語として「不備」「不尽」などの言葉や、返信の場合のより改まった結語に「敬答」などの言葉もあります。このように組み合わせはひとつのみではなく、意味によって様々な組み合わせで用いられるものですが、最もよく使われるのは「拝啓」-「敬具」の組み合わせでしょう。
 

そのほかの頭語の例

「拝啓」などの漢語表現以外にも、「一筆申し上げます」「謹んで申し上げます」「とり急ぎ申し上げます」「前略ごめんください」などの言葉もよく用いられます。
 

そのほかの結語の例

結語には、「かしこ」や「あらあらかしこ」という言葉もあり、現在は女性専用の結語として使われています。かしことは、畏まる(かしこまる)の語幹で、恐れつつしむなどの意味を持ちます。最近はあまり使われなくなりましたが、「あらあらかしこ」とは、粗々で、大ざっぱで恐れ入りますというような意で、かしこよりも丁寧な表現とされています。

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