手紙の敬語や言葉遣いは、言葉の意味を知り、場面によって使い分けを 

手紙の敬語・言葉遣い

手紙の中でもうっかり間違い敬語は多いもの、意味を知って使い分けて


敬語を使う場面といえば、人と直接会っての対面での会話、電話での会話、そして手紙での言葉遣いと、使う場面は多いものです。いざ、お礼状や挨拶状を書き始めてみたものの、言葉遣いや敬語の使い方で迷ったり、うっかり間違えてしまうということもありますね。迷いや間違いを防ぐためには、言葉の意味を知り、相手や場面に応じて使い分けることが大切です。

そんな手紙において間違えやすいといわれる言葉遣いや敬語で、トップ3によくあげられるものを見直してみましょう。
 

手紙で間違いやすい敬語・第3位:「各位」

A:「むさしの○○会員各位殿」
B:「○○保護者各位殿」

■正解と解説
これらはどちらも誤りです。ABともに、「各位」の使い方を間違えてしまっていますね。「各位」とは、集団の中のひとりひとりを指す敬った言い方で、皆様や皆様方という意味を持ちますので、「各位殿」や「各位様」では、言葉の意味が重複してしまいます。会員各位、会員の皆様、会員の皆様方(へ)などの使い方が正しい使用例です。

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手紙で間違いやすい敬語・第2位「させていただきます」

A:「メールにて送らさせていただきます」
B:「先日郵送にて送らさせていただきました書類の件でございますが……」

正解と解説
こんな文面を目にすることも案外多いのではないでしょうか? 本来は、「送らせていただきます」が正しい使い方です。「させていただきます」の「させ」は使役の助動詞です。使役の助動詞は「させる」と「せる」とがあり、上一段、下一段、カ行変格活用の動詞の後では「させる」が付き、五段とサ行変格活用の動詞の後では「せる」が付くのが一般的です。ですから、五段活用の「送る」は「送ら+せる」ということになり、「送らせて」が正しい言い方です。

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手紙で間違いやすい敬語・第1位「拝」

A:「パンフレットをご拝読いただきありがとうございます」
B:「あちらはもうご拝見されましたか」
C:「ご拝受いただければ幸いに存じます」

■正解と解説
「見る」と「読む」は、同様の意味で用いられることも多いため、手紙やメール、本なども、拝見、拝読とどちらも使われます。「拝」とは、「つつしんで~」というような意味を持ち、自分側の行為に用いる謙譲語です。

A~Bは相手側の行為に用いているので、いずれも間違いです。特にAの例などは、メールでのお礼の挨拶の際などにもよく見られる誤用です。たとえ「ご拝読」と「ご」を付けても、「拝見される・なさる」などとしても、尊敬語にはなりません。「先生からいただきましたご本拝読いたしました」「お送りいただきましたメール拝見しました」など自分の行為に用いるのが正しい使い方です。

手紙のはじめに頭語として使う「拝啓」や「拝呈」(手紙のはじめに書いたり、相手に物を贈る際にへりくだっていう言葉)、署名で自分の名前に書き添える「高橋しんぺい拝」「滝瀬由梨拝」なども、同じような意味で相手への敬意を表します。一見、尊敬語や丁寧語のように思ってしまってか、先の文例のような誤りを多く見かけますが、「拝」は、自分の行為について用いる謙譲語ですから、相手の行為に対して使うのは間違いです。

「拝」の付くほかの言葉を探してみても、その理由がわかりますね。神社や仏閣などを拝んだり、頭を下げる、おじぎをするなどの意で「拝観」、身分の高い人に会うの意で「拝謁」、相手の物や知恵を借りる意で「拝借」など、どれもみな謙譲語の意味を持つ言葉です。


間違いやすい言葉遣いや敬語というものも、ここにあげた以外にもたくさんあり、その間違いにももちろん個人差はありますが、うっかり間違いやすい敬語として取り上げられることの多い言葉のベスト3として、これらをあげてみました。

まずは、言葉の意味を知り、きちんと使い分けることが、言葉遣い・敬語の基本です。メールや手紙の中での、ついうっかりの誤用にも注意しましょう。

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