フランス/フランスのおすすめエリア

ブルターニュ、ノルマンディー他フランス北西部(4ページ目)

全土にわたって素朴な町や村が点在し、まさに「フランスの田舎」と呼ぶにふさわしいフランスの北西部。大西洋を挟んで隣接していることもあり、イギリスと関係の深い地方でもあります。街では木組みの建物が並び、田舎では石畳の道が続くという中世の名残を色濃く残し、フランスの中でも特に古い文化を守り続け ている地方。歴史を感じながら、中世の田舎へタイムスリップしてみましょう。

野口 裕子

執筆者:野口 裕子

フランスガイド

ロワール地方

ジャンヌダルクゆかりの町オルレアン © ATOUT FRANCE/CDT Calvados/CDT Calvados

ジャンヌダルクゆかりの町オルレアン © ATOUT FRANCE/CDT Calvados/CDT Calvados

イルドフランス地方の南西に位置するロワール地方は、地方を東西に流れるフランス国内最長のロワール川を中心に形成され、流域に集中する中世の時代から残された城やそのまわりを囲む森などの自然が豊富で「フランスの庭園」と呼ばれるほど美しい地域。他の北西部の地方と比べ気候は温暖ですが、やはり冬の寒さは厳しくなります。

歴史的に重要な出来事の舞台となった場所も多く、世界史の授業で聞き覚えのある出来事や人物が次々と登場します。歴史的遺産に囲まれながら、激動の時代を生きていた彼らに想いを馳せてみてはいかがでしょう。

■アクセス
シャルル・ド・ゴール空港からナントまで国内線で約1時間、TGVで約2時間。空港からオルレアンまでTGVで約2時間、シャルトルまでTGVで約2時間。

■見どころ
左右対称が美しいシャンボール城 © MDLF/Léonard de Serres

左右対称が美しいシャンボール城 © MDLF/Léonard de Serres

世界遺産にも登録されているロワール川流域に集まる10余りの古城が、この地方最大の見どころ。当時では珍しいルネッサンス様式を採り入れたという端正な造りのシャンボール城やジャンヌダルクが国王シャルル7世と会見した場所シノン城など、美しいだけでなく歴史的意義も兼ね備えている貴重な観光スポットです。

流域には他にも歴史の舞台となった都市が存在します。東側には、15世紀に当時弱冠16歳の少女であったジャンヌダルクが、百年戦争でイギリス軍により窮地に追い込まれたフランス軍を鼓舞し、勝利に導いた舞台となったオルレアン。そして大西洋側には16世紀末に起こった宗教戦争を鎮めるため、当時の国王アンリ4世が宗教の自由を認めるというナントの勅令が発令された場所ナント。

ロワール川流域以外では、世界遺産のカテドラルがありパリからもアクセスし易いシャルトルと見どころがたくさん揃っています。

 

■名物料理

タルトタタン

りんごの旨味が詰まったタルトタタン

ロワール地方流域で栽培されるミュスカデという種類のぶどうで作った白ワインはフランス国内で圧倒的な人気を誇ります。

その他今ではフランスを代表するケーキとなっているリンゴのタルト、タルトタタン。もともとはタタンというホテルで作られた失敗作が始まりなのだとか。

24時間耐久レースで知られるル・マンの名物リエットは、豚肉と豚の油ラードを煮込んだペーストで、コンビーフの豚肉版のようなもの。バゲットにのせて食べるのが美味しく、豚肉の旨味が凝縮されたやみつきになる絶品です。

 

■イベント

勇気ある16歳の少女ジャンヌダルクを讃えて © Office de Tourisme d'Orleans

勇気ある16歳の少女ジャンヌダルクを讃えて © Office de Tourisme d'Orleans

毎年4月末から5月頭にかけてオルレアンで行われるジャンヌダルク祭はこの地方最大にしてフランスで2番目に大きな軍事関連の祭典。百年戦争でイギリス軍に占拠されたオルレアンを解放したジャンヌダルクを讃え、毎年選ばれた少女が鉄の鎧を着てジャンヌダルクに変装し、兵隊とともに練り歩くパレードや大聖堂のライトアップが行われたりと町が最も賑わいを見せる期間となります。

【参考サイト】
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