焼酎/焼酎ランキング

芋焼酎、リッチ&キャラタイプベスト5

個性が強い印象の芋焼酎。実は、さまざまなタイプがある。ここでは、芋焼酎の王道であり、さらにはキャラが際立った「リッチ&キャラクター」タイプの5種を紹介。

友田 晶子

執筆者:友田 晶子

日本酒・焼酎ガイド

「癖がある」「臭い」「強い」「飲みにくい」と思われていた芋焼酎だが、本格焼酎ブームにのって、さまざまなタイプが造られるようになった。数ある芋焼酎の中から自分好みを選びたいときに役立つのが、原料やブランド名や地域などの違いではない、「香りや味わいの個性」の違いで分類した【焼酎の4タイプ】だ。まさに飲み手に必要だったカテゴリー分けがこれだ。

分類とその特徴は、以下の通り。

1、フレーヴァータイプ
オレンジなどの柑橘フレーヴァーやスイートポテトなどスイーツのような「華やかで甘酸っぱい香り」がキーワード。味わいは軽快ですがすがしい飲み口。芋焼酎ブームを牽引したジャンル。減圧蒸留にしたり、ジョイホワイトを使用したり、華やかな香気を生成する酵母を使用したものがこのタイプとなる。香りが引き立つグラスをつかうのもいい。オンザロックもおすすめ。

2、ライトタイプ
もっとも軽快でなめらかな風味。「すっきり感」がキーワード。芋初心者の方におすすめ。一杯目、淡白な料理と一緒に。減圧蒸留が多い。九州以外の産地ではこのタイプが主となる。

3、リッチタイプ
芋焼酎の中ではもっともスタンダード。蒸した芋、干し芋などの香味を持つ味わい深いタイプ。「コク」がキーワード。黄金千貫、白麹を使用したもの。とくに九州地域の伝統製法で造られたものに多く、各地域の飲酒文化を反映させた楽しみ方が基本。芋焼酎の醍醐味を味わえるカテゴリー。

4、リッチ&キャラクタータイプ
もっとも重厚で個性的な風味。蜂蜜のような凝縮感、焼き芋やキャラメルのような香ばしさがあり「濃厚さ」「個性的」がキーワード。特別な製法や熟成方法で作られたものが多く、初留取りなどもこのカテゴリー。濃厚な料理との相性もいい。通好みで、高価なもの、希少性の高いものもある。
(NPO法人FBO(料飲専門家団体連合会)テキスト「焼酎の基」より)

この4タイプ別にそれぞれのベスト商品を具体的にあげていこう。ここでは、「リッチ&キャラクタータイプ」の5つを紹介。しっかり飲み応えがある骨太タイプ、特別な蒸留方法、熟成方法をしたものなどがここに入る。


5位:黄金ハツダレ 明るい農村

黄金ハツダレ 明るい農村
 

焼酎好きなら知っているが、知らない人が聞けば、えっと驚くこのネーミング「明るい農村」。創業は明治44年。日本で最初の国立公園に指定された霧島のふもとに、市町村合併でなくなる町名「霧島町」を会社名に残したのが霧島町蒸留所だ。
霧島水系の清らかな水と厳選原料を“江戸かめ”で丹念に仕込む芋焼酎は、まろみがありバランスがよく飲み飽きしないことで全国的に人気だが、この初留取り「黄金ハツダレ」は、蒸留の最初に出てくる部分のみを集めたもの。高濃度のアルコールだ。とくにこの黄金ハツダレは、ハツダレ部分を80日間にわたり10リットルづつ集め、かめ壺で熟成させたもの。ほかの初留取り・ハナタレとはちょっと違う、ひと手間かかった初留取りだ。
アルコール度44度とおもえないほどまろみがありなめらか。ウォッカなどのように凍らせて飲んでも面白い。リッチでキャラが立ったタイプの代表。

<DATA>
300ml  2,500円

株式会社霧島町蒸留所
住所:鹿児島県霧島市霧島田口564-1
電話:0995-57-0865 


4位:炭火焼安納芋 原酒37度

炭火焼安納芋 原酒37度
 

濃い黄色に蜜がたっぷり入った天然のデザートといえる安納芋の焼き芋を食べたことがあるだろうか。糖度が16度と日本一を誇る種子島安納地区産の安納芋。それを自然に近い農法で自社栽培したものを、炭火焼の「焼き芋」にし、天然深層地下水、岳之田湧水を使用し芋焼酎に仕上げたのが、種子島酒造の「炭火焼安納芋」焼酎だ。鉄砲伝来で知られる種子島は、琉球からサツマイモが伝わった初めての大和の地。自然も歴史も芋焼酎を後押ししてくれる場所だ。
スイートポテトや栗きんとん、パンプキンパイのようなふわり甘く香ばしい香り。蒸留酒だから甘味はないのだけど、不思議ととろみや甘味を感じる味わい。後味はドライだが、残る香りはやはり甘く香ばしい。リッチ&キャラタイプとしては原酒35度をおすすめ。アルコールのとろみもキャラを際立たせてくれる。アルコール25度もある。

関連記事:安納芋焼酎

<DATA>
1800ml  5,250円
720ml  3,000円

種子島酒造株式会社
住所:鹿児島県西之表市西之表13,589番地3
電話:0997-22-0265


3位:石の蔵から

石の蔵から
 

焼酎業界のリーダーシップをとる老舗蔵本坊酒造。発祥の地である鹿児島県薩摩半島南端の南さつま市加世田津貫(つぬき)。ここに鹿児島県建築百景にも選ばれた古い石蔵があり、そこで樫の樽に寝かせられ熟成のときを過ごしている芋焼酎がこの「石の蔵から」だ。
年間を通して温度差の少ない石蔵の中で、長期樫樽熟成を行うことによって、まろやかな口当たりになり、芋の独特な強い風味がこなれ、樫樽からくる甘いバニラの風味がプラスされる。原料は黄金千貫。貯蔵は原酒のまま。出荷の際には、地下183メートルから湧く霧島山系天然水でアルコール分17%に割り水される。日本酒と同じ程度のアルコールなので、出来ればストレートか大振りの氷を入れたオンザロックで味わいたい。
まるで柔らかなウイスキーのような、繊細な仕上がりのコニャックのような、洗練された大人の味わいと時間を与えてくれるリッチ&キャラクタータイプだ。

関連記事:本坊酒造蔵リポート

<DATA>
720ml   920円
300ml   440円
180ml   280円

本坊酒造株式会社
住所:鹿児島市南栄3丁目27番地
電話:099-210-1210


→次ページで「第2位」と「第1位」を発表!

  • 1
  • 2
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます