■■樽熟成庫はコパトーンの香り!?■■



貴匠蔵全景
ところで、本坊酒造の「貴匠蔵」は樽庫もすごい。
石造りの蔵に入ると、樽とお酒の香りにむせ返りそうになる。そう、まるで、バニラのような、カカオのような、いやいや、そうだ、コパトーン(日焼けオイルでココナッツの香りがする)の香りだよ。
奥のほうにシェリー樽で熟成させているものもあり、なかには20年物もあるという。ふむふむ、こりゃ興味あるの~。


テイスティング室では味見をして気に入ったもの購入できるようになっている。
私はやはり『貴匠蔵』の、黒麹仕込みで、洗練されたなかにも甘さと深い味わいのあるタイプ(900ml 1,160円)がいいかな。白麹なら『桜島』(900ml 960円)だ。


貴匠蔵は黒麹仕込み(=左)、桜島は白麹仕込み(=中)、梅酒もおすすめだ(=右)



石の蔵。雨に濡れて風情がある(=左)、津貫の蔵。とても清潔(=右)

本坊酒造創業の地、津貫には、石造りの重厚な蔵がある。鹿児島県建築百景にも選ばれている見ごたえのある蔵だ。

「私はここで生まれたんです」とまわりの山々をいとおしそうに眺めるのは、常務取締役の本坊和人さん
山々にかこまれたこの地域は、寒暖の差が少なく、お酒にとって最良の熟成条件をもたらしてくれるのだとか。ここで造られるのは『石の蔵から』。樽熟した深みがポイントだ。


樽が静かに眠る(=左)、かめの中でもゆっくりと熟成(=右)



■■一度は訪ねるべき、知覧『特攻平和会館』■■


まるで江戸時代に戻ったみたいな高城庵

お食事どころは、知覧武家屋敷郡のなかにある「高城(たき)庵」
本物の武家屋敷の中で、一人一人高膳で料理を食べさせてくれる。地元で「地酒(じしゅ)」とよぶ米からつくったお酒で味つけする『酒寿司』を体験できる。
床の間や庭を眺めながらの食事も一興だ。



酒寿司をはじめ、さつま揚げ、さつま地鶏、きびなご、などさつまの食材ばかり(=左)温かみのある部屋。まったりしそ~(=右)


食事の後は観光。
知覧は特攻基地があったこと知られている。一度訪れてみたいと思っていた「特攻平和会館」にいったのだが、いやもう、泣けて泣けてしようがなかった。15歳から20歳代の特攻隊員1036名の家族に当てた手紙や少年の面影が残る隊員たちの笑顔の写真が展示されている。あまりにも生々しく、胸が張り裂けそうになる。狂った時代としか思えない…。彼らのことは絶対に忘れてはいけない。ここは皆さんにも訪ねることをおすすめすしたい。今の自分の生活を省みるきっかけにもなるかもしれない。



■■焼酎は1次会の酒にもなるし、2次会の酒にもなる■■


鮫島先生

真っ赤に泣きはらした目でお恥ずかしながら、つづいて、枕崎市は「さつま白波」で知られる「薩摩酒造」にうかがった。

まずは、常務取締役、製造部長、研究所長と肩書きがたくさんの鮫島吉広さんの焼酎講義を受ける。

鮫島先生(←とお呼びしたくなる)は【ダレヤメの肴】(南日本新聞社)という本のほか数冊を出版されている、まさに先生。


先生の講義は本当におもしろい
「乙類と甲類が混和されたタイプがある」こと、「ヨーロッパでは蒸留酒がぜいたく品で、醸造酒が大衆の飲み物である」こと、「日本酒がうまくいかないのは酒税法に問題がある」こと、「焼酎メーカーは何も新しいことはしていない」けれど「いつのまにやら人気が出た」こと、「焼酎の風土性、自由度のたかさ、安らぎの世界がある、豊かさや幸せをもたらす、ところが人気の秘密である」ことなど勉強させていただいた。

さらに「焼酎は1次会の酒にもなるし、2次会の酒にもなる」という言葉が印象に残った。本当にそのとおりだ。
うわ~、焼酎っておもしろい。先生のお話はもっともっとうかがいたかったなあ。