2位:山小舎の蔵 萬膳
大正11年創業。一時製造を中止していたが、平成11年霧島にて再興。「日本で一番小さいが、一番信頼できる蔵」を身上に生真面目に焼酎を造っている。黒麹仕込みのこの「萬膳」は、清酒の大吟醸造りに使用される麹蓋で麹を造り、一次二次ともにかめつぼで仕込み、木樽の蒸留釜でゆっくりと生み出される。
平成16年発売の雑誌「一個人」焼酎ムックの制作の際にテイスティングさせてもらって以来大ファンになった。
落ち着いた香り、角の取れた丸みある舌触り、ゆっくり舌のうえで転がすとふわりと鼻から抜けるふかし芋のような香り、飲みこんだ後のキレのよさと長く残る甘い余韻。全体にまとまっていてバランスがよく、不思議と安心感に包まれるような印象。お燗でいきたい。黄麹を使った「萬膳庵」も幻。また「萬膳」「萬膳庵」の各原酒「流鶯 黒麹」「「流鶯 黄麹」と、山田錦と黄金千貫で造る「匠の一滴」を知る人は少ない。
製造中止前の銘柄「萬膳 眞鶴」は10万円台にもなるプレミア価格商品。
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1800ml 2900円~7,000円
■有限会社萬膳酒造
住所:鹿児島県霧島市霧島永水宮迫4535番外2
電話:0995-57-2831
1位:池の鶴
南九州市川辺町で三代にわたり焼酎造りを行う尾込商店。メインアイテムは「さつま寿」だが、この白地に黒墨文字が映える印象的なラベルの「池の鶴」は、2位の「萬膳」同様、雑誌「一個人」の焼酎ムックのときに初体験。一口で感動させられた芋焼酎だ。
完全契約農家からの厳選した黄金千貫と名水百選の仕込み水を使用し、黒麹で丹念に仕込み、タンクで3年熟成、ほとんど無濾過。しかし、だ。名芋焼酎なら、どこでもみなこれと同様、厳選材料に手間暇と伝統の技と情熱をかけて造っている。なにが違うのか。
一つには、この「池の鶴」、アルコール度数が28度と他の本格焼酎よりちょっと高めに設定されている。そのため全体に骨太の印象でアルコールからくるとろりとした甘さが感じられる。しかしそれだけではなく、飲めば飲むほど、そのまろみ、ふくよかさ、芋らしい甘く華やかなフィレーヴァー、後味のドライさと心地いい香ばしさ・・・と、いわゆるスペックでは表現しきれない至妙な味わいと、なにかこう人の心を捉える不思議なパワーが備わっている気がするのだ。ともかく感動の一言。品格の逸品である。
残念ながら、簡単には手に入らない。いつの日か、アルコール28度と決めた本当の理由と、「池の鶴」という名前の由来を、お蔵元さんに直接うかがってみたいと思っている。もちろん飲みながら。
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1800ml 3,000円~5,000円
■株式会社尾込商店
住所:鹿児島県南九州市川辺町平山6855-1
電話:0993-56-0075
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