なぎらさんと私
先日、雑誌『一個人』の焼酎特集取材で、米、麦、芋を90種類テイスティングした。一日目は焼酎ソムリエや酒販店さん、タレントのなぎら健壱さんたちと一緒に和気あいあいとやらせてもらったが、二日目は、焼酎「味わいのチャート」作りを私一人で担当したため、90種類をもくもくと、一人で、たった一人で、テイスティングしつづけたのであった。

約4時間。
 飲みつづけた。
  90本。。
   死んだ・・・。



黒麹仕込み『萬膳』

でもこの一人地獄テイスティングで、正直な話、誌上では語っていない、超うまの芋焼酎を発見してしまったのだ。
それは、鹿児島の芋焼酎『萬膳』
黒麹仕込み『萬膳』と黄麹仕込み『萬膳庵』があり、黒麹チーム、黄麹チームのそれぞれの中で、両方ともにもっとも美味しいと感じた銘柄だった。


黄麹仕込み『萬膳庵』
どこがどう美味しいのか?
まず、香り。スイートポテトのような甘い香りと、柑橘系のような爽やかでフルーティーな香りが上品に混ざり合い、華やかさと落ち着きが同居する、とても印象に残る香り。

味わいは、なめらかさと甘味があり、角の取れたまろみのあるアルコールの刺激が心地よく、深みと旨味が口中に広がり、最後に香ばしさが長く残る。"

私思うんですけど…、
美味しいお酒のポイントは「香ばしさ」ではないかと。特に後味の香ばしい余韻。これが「また飲みたい」と思わせるんですよね…。

大好きな麦焼酎『兼八』も泡盛『春雨』も、清酒の『醸し人』『船中八策』も、

雑誌「一個人」用テイスティング
ワインの『シャンボール・ミュジニイ』『ペトリュス』も、ジャンルを問わず、どれも美味しいと思うお酒はすべて後味が「香ばしい」のだ。

で、この『萬膳』も香ばしい。実に香ばしい。心地いい後味。これがまた飲みたいと思わせる大きなキーワードになっているように思えてならない。
うう~ん、ウマイッ、もう一杯。

ちなみに、「黒麹」のほうが香りが強く、芳醇さと厚みがありどっしりの骨太な感じ。「黄麹」のほうが香りが柔らかで、やさしい旨味があり地味豊かな感じ。
この銘柄に限らず、先入観があるせいか、黄麹仕込みの焼酎は、どれもどこか日本酒のようなニュアンスを感じておもしろかった。


これが一人で飲んだ焼酎瓶だ!
今回飲んではいないが、萬膳酒造では『真鶴』という名前の「白麹仕込み」も造っている。これまたちなみに、「白麹」で仕込まれた焼酎は、シャープでキレのよい洗練された風味になるものが多い。
この『萬膳酒造』はホームページをお持ちではないようなので、ここから直接の購買申し込みは紹介できないけれど、マニアが多いらしく、ネット上で、木樽蒸留やかめつぼ仕込みの様子がうかがえる。
昔ながらの手法で丹念に造られるさまをみていると、また訪ねてみたい蔵が増えたなあ…とため息が出てしまった。

気になる価格は、

『萬膳 黒麹』 一升瓶 3,000円
『萬膳庵 黄麹』 一升瓶 3,000円


黒麹は香ばしい焼き物と、黄麹は旨味のある煮物と、あわせてみたい。

■問合わせ先
萬膳酒造  鹿児島県姶良郡霧島町永水字宮迫4535
        0995-45-0112(事務所)


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