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コクとボディーの男酒、飲み比べ その2

梅雨真っ盛りだけど、あっさりみずみずしいお酒ではなく、あえて、コクのあるしっかり極太の男酒を飲み比べしてみた。お燗の変化がおもしろいぞ!

友田 晶子

執筆者:友田 晶子

日本酒・焼酎ガイド


梅雨だけど、ぐっとコクある男酒を飲み比べした。テイスティング・コメントを紹介。
冷たいお酒ばかりでなく、飲み応えのある男酒、飲みたくなるよ。

「生もと」と「山廃」の代表銘柄

8 【男山 生もと 純米】(男山(株))
みずみずしくミネラルウォーターのような香り。味わいもすっきり軽めでドライな印象。飲むほどにコクを感じ、「生もと造り」というイメージが、味で理解できるようになる。北海道のお酒としてはボディーがある。
 《お燗にすると》
 酸味が際立ち、ボディーが膨らむ。


9 【天狗舞 山卸廃止もと仕込み 純米酒】((株)車田酒造)
淡い山吹色。麦飴や軽めのシェリーのような香り。みたらし団子のような香ばしい香り。味わいは香りのイメージよりすっぱく、ぴりぴりとした刺激があり、アフターに心地いい苦味。
 《お燗にすると》
 酸味が際立ち、まろみが出てくる。


10 【菊姫 山廃仕込み】(菊姫(資))
美しい山吹色。シェリーや紹興酒、芋飴、きゃらぶきなどのお漬物の香り。味わいはお漬物のようなすっぱさと全体を引き締める苦味。飲むほどにコクとボディーが感じられる骨太タイプ。これこそゴリ・マッチョな男酒だ。
 《お燗にすると》
 酸味がかなり際立ち、熟成酒の個性がぐっと広がる。

便利な二合のお燗器。錫で造られていて、不思議とまろやかな味になる。もう手放せな~い。


<今回の総評>

●コクの男酒は、冷や(常温)で飲む印象とお燗をしたときの印象が大きく違うものがある。たとえば、「辛口」に変化するものと「甘口」に変化するものがあり、結構差が大きい。好みで飲み分けしてみたい。

●最近の傾向として、「生もと」は、より軽やかになり、熟成感は極力出さず、繊細な風味に仕上げている印象。ただし、余韻は心地よく長いものが多い。

●最近の傾向として、「山廃」は、より重厚で、熟成感をプラスしているボディーを持たせている印象。

今回ご紹介した銘柄以外にも、たくさんの“いい男系”のお酒がある。
ワインは女性にたとえられることが多いので、日本酒は、男にたとえてみたいね。キムタク風とか福山系とか妻夫木タイプとか貴一さまとか北大路さまとか・・・、ウィッシュとか・・・・ね。女子としては、楽しいよね。

ともあれ・・・・。
ジメッとムシッとしたこの季節はこれからが本番。
ビールやサワーばかりでなく、
からりといなせな男酒で、気分をさっぱりさせやしょう!


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