焼酎/麦焼酎

あこがれの大分麦焼酎「兼八」を訪ねる(3ページ目)

行ってきました、あの「兼八」に。もう、めっちゃ好きやねん。あの香ばしさ、甘さ、バランスの良さ。ああ、たまらない。あの味わいの「秘密」を探ってきましたよ。

友田 晶子

執筆者:友田 晶子

日本酒・焼酎ガイド

兼八、味わいの秘密をトモダが暴く

お蔵の中を拝見した。
まずはもろみ室。
一次もろみが発酵中で、従業員の方がもろみをかき混ぜている。タンクを覗くとぶくぶくと泡が立ち、フルーティーで甘い香りが立ち上ってくる。櫂入れは結構な重労働だ。

タンクの周りを覆って温度管理する。

ぶくぶくと元気に泡立つもろみ。

発酵中のはだか麦のモロモロが上に浮いたままにならないようにしっかり櫂を入れる。


続いて、30年物の釜。キターーッ!
ああ、これがあのなんともバランスのいい麦チョコ風味を生み出す源か・・・。

兼八の味を生み出す30年物の蒸留釜。

ここには、きっと「秘密」が隠されているはず・・・。
今日はその秘密を暴きに・・・、と意気込んだ私に、
「兼八の秘密は、蒸留法の操作の仕方にあるんです」といきなり核心をつく答えを披露してくれる岳昭さん。

「いや、とくに秘密ってないんですよ」と身構える私に笑顔で一言。
そ、そうなんだ・・・。

「蒸留は、一気にたくさんの蒸気を入れると短時間ですみますが、少ないと長くなる、するとこげ臭がつきすぎる。このあたりのバランスが重要なんです。また、冷却するときの温度が低いとガスが抜けきらないし、高いとアルコールが外に飛んでしまう。この調整も大切。」

さらには、「僕自身が、炭素濾過したお酒の喉につっかかるような感じが嫌いなので、それはしていません」・・・と。

ふむふむ、何もないとはおっしゃるが、四代目、五代目の舌のセンスと、先代、先々代から受け継がれた四ッ谷家ならではの微妙なタイミングみたいなものがあるのだろうな。


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