酒造りのキーワードは?
このお蔵のキーワードは3つ。1、寒造り
2、手造り
3、吟醸蔵
遊佐氏にインタビューした答えはなるほどと納得するものだ。
1、【寒造り】
『平均気温11~12度の、東北らしい二本松ならではの日本酒造り・焼酎造りを目指します。
日本酒においては、雪に囲まれた自然の寒造りができることはもちろん、夏でもクーラーが必要ない東北ならではの造り(熟成)ができる環境に再度着目。朝4時に起きて朝の冷たい温度を換気すれば真夏でも15~20度をキープできる日本酒造りにはもってこいの環境。この二本松ならではの条件を十分に活かしたい。
冬は日本酒造りで、夏は焼酎造り。東北の涼しい気候を生かして、すっきり軽やかで洗練された味わいを生み出すことができます。』
2、【手造り】
『和釜の良さを生かすことと手造りの麹造りに力を入れること。効率だけではない手間暇がいい酒に結びつくと信じています。「手造り」が味わいにどう反映するのかを考えると、「ちょっと重いこと」だと定義し、そこを目指しています。』
和釜。蒸しの作業は最も重要だ。 |
3、【吟醸のみ生産】
『奥の松でも吟醸造りの経験をつみましたし、大内さんは鑑評会での連続金賞受賞の技術力がある。普通酒は造らず、吟醸にかけます。吟醸では負けない自信があります。』
蒸留器は22年前からある。 |
自分で家具を買いに行って、事務所を作ったんですよぉとうれしそうに語る遊佐氏は、なんだかとても生き生きしているようだ。
現在1430石。従業員12名。
大内社長は大内家に婿に入って24年間酒造りに携わる6代目とのこと。ちなみに遊佐氏とのコラボ前の大内酒造は4名で400~500石の蔵だった。独自の勉強を重ねることによって 確固たる技術を身につけた大内氏と、国内外の幅広い交友関係とフットワークの軽さ、モダンなセンスが武器の遊佐氏の融合は、低迷する日本酒業界に元気を与えてくれるような気がする。
→「人気酒造蔵元レポート その2」はこちら。