女性に手にとってもらえる日本酒を造りたかった
「桃華」のネーミングどおり、桃色と紫とブルーが印象的なボトル。 |
先日6月19日も、また、女性が生み出した新しい日本酒が発表された。くしくもこの日はワタクシ友田晶子の誕生日でもある。私と同じ月日生まれの日本酒・・・となれば、味わわないわけにはいかない。
名前は「桃華(とうか)」。
純米吟醸酒。
福島県郡山「笹の川酒造」の新作だ。
醸したのは、同社社長の女房。まさに造り酒屋の女房だ。なにを思ったのか、この女房、杜氏さんを師匠に、自分好みの日本酒を造ってしまった。とはいえ、ただ自分好みの日本酒を「杜氏さんに頼んで造ったもらった」わけではない。
『酒造メーカーに嫁ぎ、常務として働いて数年たったある日「こういう味のお酒を造って欲しい」と杜氏にお願いしたら、一言「できません」と答えられてしまいました。地元の駅弁屋に生まれ育った私は、食べ手の好みのお弁当を作ることは当たりまえと考えていたので、なにか釈然としないものを感じて社長に相談したところ、「自分も勉強してみたら」と逆に厳しいアドバイスをもらってしまいました。
彼女が造り酒屋の女房。「桃華」の生みの親、山口敏子さん。 |
それから数年が経ったある日、杜氏から「そろそろ常務の酒を造ってみませんか」と言われ、社長に報告すると同時に心の奥底から創作意欲が沸いたのでした。
丸二昼夜に及ぶハードな「麹造り」、丁寧に心をこめた「造り」、厳しく正確な「醪管理」、袋吊りによる伝統の「搾り」・・・と、蔵人の協力を得ながら、自分なりに一生懸命仕込みに取り組みました。
瓶詰めできたのは、製造計画から1年以上が経っていました。平成20年6月19日、嫁いで満10年目の記念日に私が初めて仕込んだお酒「純米吟醸酒 桃華」が誕生しました。』
そうか、6月19日は結婚記念日でもあったのか・・・。
※製造風景はこちら↓
「山口常務のお酒製造風景」