日本酒/酒造、酒蔵訪問

塩釜へ「浦霞」蔵元の「佐浦」を訪ねる(2ページ目)

宮城の銘酒「浦霞」のお蔵元「株式会社 佐浦」を訪ねた。築150年の歴史ある蔵の中で、酒造りの秘訣をじっくり教えていただいた。人気の秘密を垣間見たぞ。

友田 晶子

執筆者:友田 晶子

日本酒・焼酎ガイド

写真とともに蔵内ツアー


ご案内いただいたのは工場長であり杜氏でもある鈴木智氏。温厚だけど実はすごい人!
杜氏の鈴木さんに案内いただいて蔵に入る。
築150年の「土ぞう蔵」は、杭や釘を一切使わない「浮き船工法」という珍しい造りなのだとか。
もともとこの土地は海を埋め立てたもの。しっかりとした敷石を敷き、そのうえにこの蔵が建てられているのだ。大きな6本の柱をもとに組み立てられている。「現代では出来ない造りですね」とおっしゃる。

ここで、「浦霞」の基本の味わいとなる「酒母」が、ゆっくり静かに大切に育てられるわけだ。「酒母」は自慢の「自家酵母」。これがなければあの「浦霞」の個性は生まれない。

以下からは、写真とともに説明しよう。





150年の歴史を見守った「土ぞう蔵」の入り口。





「土ぞう蔵」内部。浮き船工法の蔵の中。真ん中に6本のうちのひとつである大柱が見える。
手前のタンクでは自家酵母が培養される。





酒母一日目の状態。まだ米粒が残っている。





こちらは酒母5日目。米粒がとけてぶくぶくと泡が立っている。りんごのような甘い香り。



こちらは発酵タンク。透明のホースには冷たい水が。発酵で温度が上がるのを防ぐ冷房代わりだ。






これは精米機。「現代の名工」である南部杜氏、平野重一氏が手造りで作ったもの。60年もの。大変な貴重品。






大吟醸用の米を洗うざる。7キロ入り、1分刻みに洗うのだとか。今はざるの造り手がいないとか。






蒸し器。奥が1500キロ、手前が2300キロ。60分間蒸気で蒸す。






奥に見えるのが岩蔵の別名を持つ「大正蔵」。地震に備えいたるところに修理あとが。





「大正蔵」の奥では、あの「浦霞禅」が醸される。






麹の「からし」作業中。温度と湿度を下げる作業。発酵が長期低温に耐えられるようにだ。
麹造りには3日かかる。






麹室は、「節」のない杉材のみで作られている。乾燥で割れるのを防ぐため。






4年前からはじめた「木桶仕込み」。上部が赤いのは柿渋が塗られているから。ステンレスなどと違って雑菌処理には手間がかかる。4合ビンで1700本のみの限定品。





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