日本酒/酒造、酒蔵訪問

福島うまい酒うまいもん探訪3 笹の川&柏屋

福島の蔵をめぐる旅の3回目は郡山の「笹の川酒造」。清酒のほかにも蒸留酒をさまざまに取り揃える蔵元さんだ。さらに郡山銘菓薄皮まんじゅうの「柏屋」さんも訪ねたぞ。

友田 晶子

執筆者:友田 晶子

日本酒・焼酎ガイド

清酒のほか蒸留酒にも力を入れる笹の川酒造


東北新幹線の郡山駅に近づくと左手にちらりと見えるのが『笹の川酒造』。この郡山で300年近く酒造りを行ってきた蔵元さんだ。 昭和の戦中戦後から、合成清酒やウイスキー、ジン、ウォッカ、リキュール造りも手がけ、バブルグルメブームにはチェリーウイスキー、最近の焼酎ブームでは、吟醸焼酎やそば焼酎などに着目。いち早く市場戦略に乗り出すセンスの秘密を探りに行ってきた。


高い煙突が目印。広~い蔵敷地だ。(=左)
蔵をお守りしてくださる敷地内の神社。(=右)

現在の社長、山口哲司さんは10代目。営業には弟の山口恭司さんがあたる。生産量は、清酒2700~2800石。甲類焼酎が1100石、乙類焼酎が350石、合成酒200石、そのほか100石という生産量。地方の地酒メーカーというより、中堅メーカーとさえいえる大きさだろう。敷地も実にひろ~い。


鳥居前で取っていただいた写真はこ~んなふうにボトルのラベルにしてくださる。もちろん中身入りのお土産だ。恥ずかさ半分、うれしさ半分。



人気銘柄は『新聞紙』?!


この日、出来立て搾りたてをいただいた。すっきりフレッシュでキリリ引き締まった味。

笹の川の特徴は、清らかな軟水仕込みの清酒で、ミネラルウォーターのように優しく滑らかで瑞々しい舌触り。
すっきり軽いので量を飲みたいというときにはぴったりだろう。

この日(2月上旬)は吟醸仕込の真最中。発酵終了直後のものや絞りたてを味見をさせていただいた。蔵を訪ねる楽しみはこれだよね~。
うう~ん、新鮮で後味に苦味があるのがしぼりたてっぽ~い。


搾りたての季節のおすすめは「新聞紙」と呼ばれる『大吟醸新酒』(特別限定品)。1800ml 2800円。

またこの時期のおすすめは「新聞紙」と呼ばれる大吟醸搾りたて。
今では新聞紙に包んだちょっぴりレトロ感覚の(っていうのかな)販売方法をする蔵元さんは近頃多いのだけれど、このやり方は、実は笹の川酒造が最初なんだとか。

新聞紙に包んであると、なんだか、出来立て感や急いで持ってきました感があって、倍おいしく感じる。もちろん中身もいいのだけど、見た目というのも重要ですよね~、ほんと。このあたりのセンスが、いいんだね~。
味もすがすがしい飲み口でいくらでもいけちゃう。


広い麹室は最盛期は男性の熱気で充満する!(=左)
昔ながらの米洗いざる。今これを作る職人さんがいなくなりまさに貴重品だとか。 丁寧な仕事が清らかな酒つくりにつながる。(=右)

清酒焼酎『吟粒』と『源粒』も人気

さて蒸留酒も見逃せない。
All About日本酒焼酎サイトの過去の記事(→黄麹仕込の「さけ」焼酎『源粒』)でもご紹介したが、清酒焼酎の『吟粒』と『源粒』は、クリーンで華やか、するする飲める味わいがいまや人気のアイテム。友田おすすめは塩の効いた梅を入れてお湯割り、だな。米焼酎のシンプルさが生きる飲み方なので、ぜひお試しあれだ。

さらに、福島はそばの名産地。おいしいそばをベースにしたそば焼酎も思索中とのこと。発売時にはまたこのサイトでお知らせしましょう。


清酒の蒸留酒。乙類焼酎『吟粒 30%』は720mlで1,890円。清らかな味わい。『源粒 25%』は720mlで1,365円。軽いうま味がある。右は蒸留器。さまざまな蒸留酒も笹の川酒造のウリだ。

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