清酒のほか蒸留酒にも力を入れる笹の川酒造
東北新幹線の郡山駅に近づくと左手にちらりと見えるのが『笹の川酒造』。この郡山で300年近く酒造りを行ってきた蔵元さんだ。 昭和の戦中戦後から、合成清酒やウイスキー、ジン、ウォッカ、リキュール造りも手がけ、バブルグルメブームにはチェリーウイスキー、最近の焼酎ブームでは、吟醸焼酎やそば焼酎などに着目。いち早く市場戦略に乗り出すセンスの秘密を探りに行ってきた。
高い煙突が目印。広~い蔵敷地だ。(=左) 蔵をお守りしてくださる敷地内の神社。(=右) |
現在の社長、山口哲司さんは10代目。営業には弟の山口恭司さんがあたる。生産量は、清酒2700~2800石。甲類焼酎が1100石、乙類焼酎が350石、合成酒200石、そのほか100石という生産量。地方の地酒メーカーというより、中堅メーカーとさえいえる大きさだろう。敷地も実にひろ~い。
鳥居前で取っていただいた写真はこ~んなふうにボトルのラベルにしてくださる。もちろん中身入りのお土産だ。恥ずかさ半分、うれしさ半分。 |
人気銘柄は『新聞紙』?!
この日、出来立て搾りたてをいただいた。すっきりフレッシュでキリリ引き締まった味。 |
笹の川の特徴は、清らかな軟水仕込みの清酒で、ミネラルウォーターのように優しく滑らかで瑞々しい舌触り。
すっきり軽いので量を飲みたいというときにはぴったりだろう。
この日(2月上旬)は吟醸仕込の真最中。発酵終了直後のものや絞りたてを味見をさせていただいた。蔵を訪ねる楽しみはこれだよね~。
うう~ん、新鮮で後味に苦味があるのがしぼりたてっぽ~い。
搾りたての季節のおすすめは「新聞紙」と呼ばれる『大吟醸新酒』(特別限定品)。1800ml 2800円。 |
またこの時期のおすすめは「新聞紙」と呼ばれる大吟醸搾りたて。
今では新聞紙に包んだちょっぴりレトロ感覚の(っていうのかな)販売方法をする蔵元さんは近頃多いのだけれど、このやり方は、実は笹の川酒造が最初なんだとか。
新聞紙に包んであると、なんだか、出来立て感や急いで持ってきました感があって、倍おいしく感じる。もちろん中身もいいのだけど、見た目というのも重要ですよね~、ほんと。このあたりのセンスが、いいんだね~。
味もすがすがしい飲み口でいくらでもいけちゃう。
広い麹室は最盛期は男性の熱気で充満する!(=左) 昔ながらの米洗いざる。今これを作る職人さんがいなくなりまさに貴重品だとか。 丁寧な仕事が清らかな酒つくりにつながる。(=右) |
清酒焼酎『吟粒』と『源粒』も人気
さて蒸留酒も見逃せない。All About日本酒焼酎サイトの過去の記事(→黄麹仕込の「さけ」焼酎『源粒』)でもご紹介したが、清酒焼酎の『吟粒』と『源粒』は、クリーンで華やか、するする飲める味わいがいまや人気のアイテム。友田おすすめは塩の効いた梅を入れてお湯割り、だな。米焼酎のシンプルさが生きる飲み方なので、ぜひお試しあれだ。
さらに、福島はそばの名産地。おいしいそばをベースにしたそば焼酎も思索中とのこと。発売時にはまたこのサイトでお知らせしましょう。
清酒の蒸留酒。乙類焼酎『吟粒 30%』は720mlで1,890円。清らかな味わい。『源粒 25%』は720mlで1,365円。軽いうま味がある。右は蒸留器。さまざまな蒸留酒も笹の川酒造のウリだ。 |