きき酒を繰り返していくと、日本酒は、おおむね4つのタイプに分けられることがわかります。代表的なタイプはこの4つ。

  <1>香りが華やかなタイプ
  <2>フレッシュで爽やかなタイプ
  <3>コクと旨味のあるタイプ
  <4>熟成した深みのあるタイプ


<1>はデリシャスリンゴやメロン、バナナのような甘い果物のような香りがあるタイプ。よく「ワインみたい」と言われるタイプですね。香りが華やかなところが特徴ですが、味わいはなめらかでソフト、また上品で艶のある味わいのものが多いです。

ラベル上でわかる名称で言えば、『吟醸酒』『大吟醸酒』がこのタイプです。
この吟醸は、お米を、普通のお酒よりも多めに研いで、文字通り、吟味して醸します。非常に洗練された味わいに仕上がります。さらに低温で発酵させることによって、甘い果物の香りが出てくるのが特徴。これが華やかな香りにつながるのです。





<2>は穏やかな香りですが、ハーブや花、青い野菜、山菜などの爽快な香りがあります。味わいはすっきりとしたキレのあるタイプで、まるでミネラルウォーターのように軽やかで飲みやすいところが特徴です。

ラベルで見ると『生酒』『生貯蔵酒』『生詰酒』がこれに当てはまります。
日本酒は通常、「火入れ」という作業を、貯蔵前と瓶詰め時に行い、雑菌の繁殖などを防いだり、日持ちをよくしたりしますが、今では技術の発達で、出来立てのまま飲むことのできるものが増えてきました。『生酒』はまったく火入れしていないもの。『生貯蔵酒』は火入れをせずに貯蔵をし瓶詰め時に火入れをしたもの、『生詰酒』は火入れして貯蔵しそのままビン詰めしたもので、どれも、できたてのフレッシュで爽快な味わいが楽しめます。
また、新酒ができる1月2月には「しぼりたて」や「あらばしり」というまさに生まれたばかりの新鮮なお酒がでまわります。





<3>は最も日本酒らしいタイプといえるもので、炊き立てのご飯やつきたてのお餅など、まさに原料のお米の風味を感じられるタイプです。だから、旨味もたっぷり。

ラベルを見ると『純米酒』と書かれたものがこれにはいります。お米と米麹と水だけで造られたお酒で、ホックリとした旨味とコクがあります。ちなみに、醸造アルコールを規定量使ったものを『本醸造酒』といい、なめらかな舌触りになるものが多いようです。
さらに、『山廃』『生もと(きもと)』と書かれたものもこのタイプ。
どちらも、昔ながらの醸造方法からくる名前で、天然の乳酸菌をじっくり育て手間暇かけ仕込みます。出来上がったお酒はどっしり骨太、飲み応えのある味わいになり、なかにはヨーグルト、ミルク、バター、キャラメルのような風味のものもあります。
また、10月に市場に出る「ひやおろし」は、冬にできたお酒がひと夏を越し、落ち着いた味わいになったもので、まさにこのタイプの代表選手です。





<4>は長期熟成したお酒。普通日本酒は1年以上たてば熟成酒となりますが、3年5年と年を経れば経るほど、色合いが黄色味がかってきたり、琥珀色になっていきます。香りは、ドライフルーツやナッツ、カラメルのようなこおばしい香り、焼き魚のような焦がした香り、また、中国茶や紹興酒、シェリーのような個性的で複雑な香りのものもあります。味わいも、こおばしさやコク、深み、重厚さ、複雑味など、リキュールやブランデーのような感覚で楽しめます。

ラベルには『長期熟成酒』『古酒』と書かれています。
どちらかといえば通好みのお酒ですが、新しいタイプの日本酒としてじわじわ人気が出てきています。






《純米酒と本醸造酒》
<3>でも触れましたが、日本酒には【純米酒】【本醸造酒】があります。これは醸造アルコールを使用するかしないかの違いです。実際にきき酒してみると、お米と米麹と水のみで造られる【純米酒】は、米本来の旨味とコク、後味の切れの良さを感じることができます。規定量の醸造アルコールを加えた【本醸造酒】は、華やかさとなめらかさ、艶のある舌触りを感じることができます。
また、『吟醸酒』『大吟醸酒』『生酒』『生貯蔵酒』『生詰酒』『山廃』『生もと』『長期熟成酒』『古酒』のそれぞれに、【純米】【本醸造】があります。






《特定名称酒と普通酒》
さまざまな伝統手法を取り入れ、特別に手間暇かけて仕込んだ日本酒を【特定名称酒】といいます。
『吟醸酒』『大吟醸酒』『純米酒』『本醸造酒』『特別純米酒』『特別本醸造』などが当てはまります。
また、特定名称酒以外を【普通酒】もしくは【一般酒】といい、醸造アルコールの使用量が多いものや、糖類などが添加されているものなどもあり、後味にべたつきを感じるものもあります。