日本酒/日本酒の選び方・楽しみ方

あなたのお好みは? 日本酒をきき酒してタイプを知る(2ページ目)

自分だけの味わいの基準を決めると、日本酒の楽しみ方がぐっと広がります。好みの風味から、どんなお酒を買えばいいかが分かる『日本酒タイプ一覧表』も掲載!

友田 晶子

執筆者:友田 晶子

日本酒・焼酎ガイド




では、実際に「きき酒」はどうやって行なったらいいのでしょうか。ポイントは簡単。4つのポイントを見るのです。

  1.色
  2.香り
  3.味わい
  4.後味


ソムリエみたいに、難しい言葉でコメントをいう必要はありません。自分の感覚で「感じる」ことが大切です。だって、自分の好みを探すのですからね。


1. 色


日本酒は一見透明ですが、比べてみると、微妙に黄色味がかっていたり、緑色がかっていたり、淡かったり濃かったりします。なかには、濁っているものもありますよね。その色合いを確かめるのです。

色の淡いものはあっさり。色の濃いものはコクがあります。
緑色が強いと爽やかであっさりして出来たてのもが多いです。黄色味が強いとしっかりと旨味があり、熟成しているものが多いです。
また、濁りにもいろいろありますが、濁りの淡いタイプは比較的あっさり系。濁りが濃いタイプはぽってりとコクがあります。

色を見ただけで、香や味わいの想像が出来るなんておもしろいと思いませんか?


2.香り


お酒の美味しさの大部分は香りで感じる、といわれています。実際鼻をつまんで飲んだら、美味しさ半減ですよね。
さて、日本酒の香りには、りんごやメロンなど果物っぽい香り、ハーブや野菜など植物っぽい香り、たきたてのご飯やつきたてのお餅のような香り、ミルクやバターのような香り、紹興酒やシェリーのような香り、などさまざまな要素があります。
軽めのさらっとしたお酒やできたてのお酒は、爽快でフルーティーで華やかな香り。コクと旨味があるお酒や熟成したお酒は、ほっくりと落ち着いた深い香りになります。
このあたりのラベル上の見極めは後ほど説明しましょう。


3.味わい

お酒の味を構成するのは、甘味、酸味、苦味、旨味、さらに、アルコールの刺激です。どのお酒にもこの要素が含まれていますが、より多い味わいが、そのお酒の全体のイメージを決めます。
特に、最初に口にふくんだ時の風味を「ふくみ香」といいますが、この時の印象は重要です。甘味があるとか、きりっと引き締まった酸味があるとか、さらっとしているとか、どっしりコクがあるという第一印象がきまります。

爽快でフルーティーで華やかな香りのお酒は軽めの味わい。ほっくりと落ち着いた深い香りのお酒はコクと旨味があります。
日本酒は酸味が少ないとよく言われますが、最近では、酸度の高いタイプのものも増えています。


4.後味

お酒を飲んだ後のアフター・フレーヴァーを「もどり香」といいます。これもお酒の美味しさを決める重要なポイント。お酒の好き嫌いはここで決まるといっても過言ではありません。
すっと消えて嫌味がない、心地いい苦味が残る、爽やかな酸味でキレがいい、ふくよかな旨味が長く残る、香ばしい風味がある、などさまざま。また、異常に辛いとか、べたっとして嫌な甘味が残るなど、よくない判断材料もチェックですね。


《きき酒の酒器のこと》
以上のきき酒をするにあたり、やりやすい酒器があります。

ひとつは、国際規定のワインテイスティンググラス。適度に口がすぼまっているので、香りの特徴が捉えやすいです。



もうひとつは、白いお猪口で、底に青いぐるぐるが書いてあるもの。よく見ますよね?これは、色合いをみるのにぴったり。



どちらも高いものではないので、いくつか揃えておいても便利ですよ。
それに、ひとつではなく、幾つか並べてきき酒するのがおすすめなのです。比べることによって違いがわかりやすくなりますし、同じ日本酒でも、ずいぶん味の違いがあることを確かめられるはずですからね。

さあ、あなたもレッツ・トライ。
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