では、実際に「きき酒」はどうやって行なったらいいのでしょうか。ポイントは簡単。4つのポイントを見るのです。
1.色
2.香り
3.味わい
4.後味
ソムリエみたいに、難しい言葉でコメントをいう必要はありません。自分の感覚で「感じる」ことが大切です。だって、自分の好みを探すのですからね。
1. 色
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日本酒は一見透明ですが、比べてみると、微妙に黄色味がかっていたり、緑色がかっていたり、淡かったり濃かったりします。なかには、濁っているものもありますよね。その色合いを確かめるのです。
色の淡いものはあっさり。色の濃いものはコクがあります。
緑色が強いと爽やかであっさりして出来たてのもが多いです。黄色味が強いとしっかりと旨味があり、熟成しているものが多いです。
また、濁りにもいろいろありますが、濁りの淡いタイプは比較的あっさり系。濁りが濃いタイプはぽってりとコクがあります。
色を見ただけで、香や味わいの想像が出来るなんておもしろいと思いませんか?
2.香り
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お酒の美味しさの大部分は香りで感じる、といわれています。実際鼻をつまんで飲んだら、美味しさ半減ですよね。
さて、日本酒の香りには、りんごやメロンなど果物っぽい香り、ハーブや野菜など植物っぽい香り、たきたてのご飯やつきたてのお餅のような香り、ミルクやバターのような香り、紹興酒やシェリーのような香り、などさまざまな要素があります。
軽めのさらっとしたお酒やできたてのお酒は、爽快でフルーティーで華やかな香り。コクと旨味があるお酒や熟成したお酒は、ほっくりと落ち着いた深い香りになります。
このあたりのラベル上の見極めは後ほど説明しましょう。
3.味わい
お酒の味を構成するのは、甘味、酸味、苦味、旨味、さらに、アルコールの刺激です。どのお酒にもこの要素が含まれていますが、より多い味わいが、そのお酒の全体のイメージを決めます。
特に、最初に口にふくんだ時の風味を「ふくみ香」といいますが、この時の印象は重要です。甘味があるとか、きりっと引き締まった酸味があるとか、さらっとしているとか、どっしりコクがあるという第一印象がきまります。
爽快でフルーティーで華やかな香りのお酒は軽めの味わい。ほっくりと落ち着いた深い香りのお酒はコクと旨味があります。
日本酒は酸味が少ないとよく言われますが、最近では、酸度の高いタイプのものも増えています。
4.後味
お酒を飲んだ後のアフター・フレーヴァーを「もどり香」といいます。これもお酒の美味しさを決める重要なポイント。お酒の好き嫌いはここで決まるといっても過言ではありません。
すっと消えて嫌味がない、心地いい苦味が残る、爽やかな酸味でキレがいい、ふくよかな旨味が長く残る、香ばしい風味がある、などさまざま。また、異常に辛いとか、べたっとして嫌な甘味が残るなど、よくない判断材料もチェックですね。
《きき酒の酒器のこと》
以上のきき酒をするにあたり、やりやすい酒器があります。
ひとつは、国際規定のワインテイスティンググラス。適度に口がすぼまっているので、香りの特徴が捉えやすいです。
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もうひとつは、白いお猪口で、底に青いぐるぐるが書いてあるもの。よく見ますよね?これは、色合いをみるのにぴったり。
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どちらも高いものではないので、いくつか揃えておいても便利ですよ。
それに、ひとつではなく、幾つか並べてきき酒するのがおすすめなのです。比べることによって違いがわかりやすくなりますし、同じ日本酒でも、ずいぶん味の違いがあることを確かめられるはずですからね。
さあ、あなたもレッツ・トライ。








