|  ブルーチーズと「元禄酒」 | 
|  『元禄酒』のボトル | 
チーズがなければフランス料理ではないのである。デザートの前にはチーズなのである。
このチーズと日本酒の相性は、いくら日本酒の呪縛にとりつかれている最近の私でも、実はしっかり受け入れている取り合わせなのだ。
とくに、ミモレットやコンテのようなハードタイプのチーズは、噛めば噛むほど味がして、そうまるでスルメのような効果を発揮するので、純米酒の燗などと、結構いけるのである。
ブルーチーズには、コクのある純米酒か、できるなら濃密な古酒がいいなと思っていたら、さすが澤乃井、創業の元禄十五年当時の手法のままに再現した、濃醇甘口酒をもってきた。甘口とはいえ、口に含む最初に甘味が広がるだけで、後味はすっきり辛口の印象。飽きることなく飲み続けることができるタイプのようだ。
ブルーチーズの塩辛さと絶妙のマッチ。クリーミーさが心地いい。でも、もっとがっつりチーズが盛ってあってもよかったかなぁ~。もしくは、何種類か盛り合わせでもおもしろかったかも。
もちろん、参加費8,000円であるからして、無理はいえないのだが(←かなりお得)。
こちらにはお酒はついていませんでした。残念。どうせだったら、デザートに合うお酒も登場させてほしかったな。
甘酸っぱい白桃には、そうだな…、熟成した梅酒などどうだろう。これから注目されるお酒だし…ね。(うち、十年熟成梅酒、売り出しまんのや、と西山社長)
以上が今回のラインナップ。
|  会場の様子 | 
このカフェーズのお料理は全体に軽めでさっぱりとした味わいなので、すっきりと洗練された淡麗辛口の澤乃井には、ちょうどバランスがよい感じ。
シェフは「日本酒を意識しながら」とおっしゃっていたので、蛤やホッキ貝などを材料に使用されたのだろう。確かに美味しかった。でも、あえて意識しないのもおもしろいかもしれない。
意外な発見は、パン(ちなみにカフェーズでは“メゾン・カイザー”)に日本酒がよく合ったこと。噛み応えと旨味のあるパンは、実にいいおつまみになった。
というわけで、はたして日本酒には刺身か干物という昔ながらの呪縛に縛られていた私の体と心は、解き放たれたのだろうか。今しばらく様子をみながらリハビリに精を出すことを改めて決心し、会を後にしたのだった。
次回は丹波の銘柄『小鼓』(西山酒造場)とフランス料理の会とのこと。
参加申し込みお問い合わせは、
「吟醸酒文化研究会準備室事務局」(ikeda@ici-inc.co.jp)まで。
意外な体験ができるかも。リハビリ参加者もぜひ。








