《日本酒応援団》兼《チアガール》兼《日本酒界のジャンヌ・ダルク》の私としては、美味しい日本酒と美味しい旬の食材、さらには、楽しみ方のあれこれをいろんな方にご紹介しようと、新春からばたばたと走り回っている。
酒ビンに埋もれながらセミナー準備をしているとき目にとまったのが、なんともシンプルなラベル『吟醸』だった。なんといさぎいいネーミング!とボトルを手にしてみると、徳島県の『津乃峰酒造』とある。関東ではあまり見かけない名前だ。
【 津乃峰『吟醸』 】 |
そう、絞りたては時として、ハーブやミネラルウォーターのようなすがすがしさを放つのだ。味わいは、軟水仕込みなのだろうか、なめらかで柔らかい甘味を感じる。だけど、ググッと尻上がりにしっかりとしたコクが広がり、ナッツのような香ばしい後味を残す。これはきっと山田錦の特徴だろう。四国瀬戸内よりで生まれるお酒は、いつも、ソフトで甘く感じるのだけれど、津乃峰のある阿南市は太平洋に近い。女性的なニュアンスだけど、どこか一本芯がとおっている味わいは、もしかしたらそんなところにも要因があるのかもしれない。
こういうお酒は飲み飽きしない。新鮮な白身のお魚、そうやっぱり鯛の刺身を合わせたい。コリコリぷりぷりで、噛みしめると昆布の味がするほんものの鯛。鯛の身の自然の甘味に実に合いそうだ。さらにこの絞りたての新鮮さなら、わさびの青っぽい風味も絶妙に生きるはず。もちろん徳島名産すだちをしぼってもまた格別だろう。
昭和二十八年創業。阿波三峰の津乃峰山頂にある津乃峰神社の御神酒として奉納してきた由緒ある蔵とうかがった。それにこの神社、延命長寿の神様なのだとか。
そんなありがたい神様にささげられた御神酒に、セミナー準備の慌しい中でめぐりあえるなんて、わたしったら、こりゃあ春から縁起がいいわい・・・なのだ。今年は日本酒応援団、ますますがんばりますと思わず手を合わせてしまったよ。
しかし日本酒チアリーダーだから言うわけじゃないが、こんなミニストーリーを持ち、飲み飽きしない品のいい味わいで、おまけに、この時期ならではの絞りたてのよさを楽しめる津乃峰『吟醸』を、県内消費だけにとどまらせておくのは、なんとももったいないおはなし。お取り寄せをおすすめしたい。
津乃峰酒造株式会社 『吟醸』 1.8L 3,000円 720mL 1,748円 徳島県阿南市長生町諏訪の端11 電話 0884-22-0606 |
◆津乃峰酒造紹介ページ↓【阿波の酒ほろ酔いリポート 津乃峰酒造】(徳島新聞社)」